＜話題の焦点＞＝“おみやげ”を狙え、景気に不透明感、救いの神は訪日外国人

　ここにきて景気の弱さが伝えられ、消費動向に暗雲が漂い始めている。そうなると、頼りになるのは２０２０年に現在の倍となる２０００万人を目指す訪日外国人の“おみやげ消費”だ。現在、円高方向に為替が若干振れているとはいえ、これまでの流れから見れば十分円安水準。訪日外国人増加にとっては依然追い風だ。

　訪日客のおみやげでは、象印マホービン<7965.T>の炊飯ジャーが知られるが、電化製品購入のイメージが強いなか、観光庁が発表した「訪日外国人の消費動向（平成２６年４―６月期）」＝別表参照＝を見ると別の視点からの関連銘柄が見えてくる。調査によると、購入率が最も高い費目は、意外にも「菓子類」で６２．６％に及び、単価も１万円を超える。菓子各社も、これを見逃すはずもなく、訪日客に人気の抹茶系の菓子など品ぞろえを強化。江崎グリコ<2206.T>が「ポッキー和ごころ（宇治抹茶）」、森永製菓<2201.T>は「ダース（宇治抹茶）」で攻勢を掛ける。

　また、かばんでサマンサタバサジャパンリミテッド<7829.T>、化粧品で資生堂<4911.T>、マンガ・アニメでまんだらけ<2652.T>にも注目。変わったところでは、ＴＯＴＯ<5332.T>の「携帯お尻洗浄機」。シャワートイレの良さが伝わり、同社の海外展開にも好影響を与えそうだ。

◆訪日外国人の費目別購入率および購入者単価

　費目　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　全国籍・地域
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　購入率（％）　　購入者単価（円）

菓子類　　　　　　　　　　　　　　　　　６２．６　　　１０，２２１
その他食料品・飲料・酒・たばこ　　　　　５３．２　　　１１，４９３
カメラ・ビデオカメラ・時計　　　　　　　　８．６　　　５８，５６３
電気製品　　　　　　　　　　　　　　　　１２．２　　　３７，６６４
化粧品・香水　　　　　　　　　　　　　　２９．８　　　２１，０８３
医薬品・健康グッズ・トイレタリー　　　　３１．６　　　１７，５８８
和服（着物）・民芸品　　　　　　　　　　１５．３　　　１５，４１２
服（和服以外）・かばん・靴　　　　　　　３５．１　　　３０，６７９
マンガ・アニメ・キャラクター関連商品　　１１．２　　　１１，４２９
書籍・絵葉書・ＣＤ・ＤＶＤ　　　　　　　１０．９　　　　６，３６０

出所：観光庁「訪日外国人消費動向調査（平成２６年４－６月期）」の「訪日外国人の費目別購入率および購入者単価」から抜粋。調査対象国籍・地域は韓国、台湾、香港、中国、米国


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）