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ホクト、国内事業は野菜相場安・異常気象の影響で低調に推移 海外事業は為替差益で売上高が前年を上回る
目次
水野雅義氏:みなさま、こんにちは。ホクト株式会社の水野でございます。本日は、2023年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただきありがとうございます。資料に沿って、私から2023年第2四半期決算報告と最近の取組事項についてご説明します。
2023年3月期第2四半期 連結決算の総括
まず、2023年3月期第2四半期連結決算についてご説明します。国内販売量は、前年比105.4パーセントとなりました。生どんこを含むすべてに影響が及んでいますが、野菜相場安もあり、単価の下振れによる減収減益となりました。後ほど、セグメントごとに詳細をご説明します。
2023年3月期第2四半期 連結決算(対前年比)
対前年比で、売上高は1億2,000万円の増加、売上原価は31億6,800万円の増加となりました。
主な要因として、原油高や為替の影響に加え、生産原料費・電力費などが高騰したことが挙げられます。また、新工場である三重きのこセンターの稼働もあり、減価償却費や人件費が増えています。売上総利益は、売上原価の増加に伴い減少しています。
販管費においては、三重きのこセンターの稼働により運送費が増加しています。現在は新型コロナウイルス感染拡大の第8波と言われていますが、その中でも少しずつ動けるようになり、その分、前年に比べて旅費交通費等も増加しています。
売上原価や販管費の増加もあり、営業利益は34億8,400万円のマイナス、経常利益は約20億円のマイナスとなっています。営業利益に比べて経常利益のマイナスが少ない要因として、円安による海外貸付分の為替差益があります。
2023年3月期第2四半期 きのこ生産量の推移(連結)
国内外のきのこ生産量の推移です。スライド中央の「2023年3月期実績」の棒グラフでは、前年比で2,160トンあまり増えていることがご覧いただけます。ここでは三重きのこセンターの稼働により、ブナシメジ、マイタケが増えています。
一方で、非常に厳しい環境下にあり、国内外含めいくつかの工場で生産を停止するなどの調整を行っているため、計画よりも少ない数字となっています。
2023年3月期第2四半期 セグメント別概況(対前年比)
対前年比を示したセグメント別概況です。国内きのこ事業は、前年よりもきのこの単価が安く推移したことに加え、原材料単価あるいは電力費・燃料費といったコスト上昇の影響により、売上高・営業利益ともに前年を下回っています。きのこ別の販売単価と生産量の状況は、後ほどご説明します。
海外きのこ事業は、為替の影響により日本円ベースでの売上は前年を上回っています。現地通貨ベースについては、こちらも後ほど触れます。
加工品事業は、前年度に売上が厳しかった子会社の株式会社アーデンが今期は順調に推移したことにより、売上高を4億円弱伸ばしています。
化成品事業は、包装資材に関連してナフサ等の価格上昇などがあり、値上げ交渉を経て取引先にご理解をいただいた中で、仕入れ原価は上がりましたが、その分を価格転嫁できたことで売上高は伸びました。
2023年3月期2Q 国内きのこ事業(平均販売単価の比較)
国内きのこ事業の平均販売単価の推移は、スライドの表のとおりです。前年度に比べて、また当初の計画に対しても非常に厳しい状況でした。先ほどもお伝えしましたが、野菜相場が安価で推移したことや、6月中に梅雨明けが起きて非常に暑かったことなどのさまざまな要因により、きのこの単価にも影響があり、このような結果となりました。
2023年3月期2Q 国内きのこ事業(生産量の比較)
国内の生産量の比較です。今年度は、前年度はなかった三重きのこセンターでのブナシメジ、マイタケの生産のための稼働があり、その2種類の生産量が増えました。
一方、計画に対しては、先ほど述べたように非常に厳しい環境下にあって、生産調整を実施せざるを得ず、スライドに示しているとおりの数字に着地しました。誤差の範囲と言っても3パーセント程度ということで、大きなトラブルもなく推移したものと考えています。
2023年3月期第2四半期海外きのこ事業(対前年比)
海外事業についてご説明します。国別に現地通貨で数字を示しており、前年比を記載しています。当第2四半期は、すべてのところで非常に厳しい数字となりました。大きな原因の1つとして、日本と同様に海外でもインフレ等々の影響が出ていることが挙げられます。
例えば、アメリカではエネルギーコストや人件費などが増えたことで、数字を落としています。単価も値段も上げなければいけない状況ですが、エネルギーコストを始めとしたさまざまなコスト高騰になかなか追いつけず、現在も引き続きいろいろな取り組みを進めています。
台湾も数字を落としていますが、前年度はいわゆるコロナ禍の特需が起きていたため、こちらはほぼ計画どおりの数値と言えます。
一方、マレーシアは非常に厳しい数字で終わりました。期初の時点ではロックダウンの影響等々もあり、なかなか厳しい環境下だったのも事実です。さらに、中国産のブナシメジが大量に東南アジア各国に入ってきたこともあり、その価格に影響されました。時と場合によっては計画よりも安い価格で案内しなければならず、このような結果になりました。
2023年3月期第2四半期連結決算(対計画比)
計画に対しての比較です。売上高は計画比で29億8,200万円のマイナスでしたが、販管費は7億円弱少なく済みました。運送費等々を計画どおり入れたため前年よりは増えていますが、販売量も少なくなったため計画に対して削減できています。結果として、営業利益は計画比で17億6,700万円のマイナスとなりました。
経常利益は最近の為替の影響もあり、計画比で2億2,000万円のマイナスにとどまりました。とはいえ昨今は為替の変動が非常に激しく、予断を許さない状況と考えています。
2023年3月期第2四半期セグメント別概況(対計画比)
セグメントごとの計画比較です。国内きのこ事業は非常に厳しい状況であり、計画比で83.0パーセントと大きく遅れています。一方、海外きのこ事業は計画に対し、売上高はプラス、営業利益はマイナスとなっています。こちらはお伝えしたとおり、為替の問題も含まれているとご理解ください。
加工品事業は順調で、計画比で105.7パーセントとなっています。化成品事業は値上げを行ったことに加えて、取引先の方々にご理解いただいたことで、計画を少し上回る数字となりました。併せて、新しい顧客の獲得もあったと考えています。
2023年3月期第2四半期海外きのこ事業(対計画比)
海外きのこ事業の対計画比です。アメリカは、売上高は計画どおりに増えた一方、営業利益は諸々のコスト高等々によって計画を下回っています。
台湾は、営業利益は好調だったものの、売上高は前年に比べ少し厳しかった部分もあり、若干マイナスとなっています。マレーシアは、売上高・営業利益ともに、中国発の安いブナシメジの影響を受けており、売上高は計画比で75.7パーセントとなっています。
2023年3月期通期の連結業績予想値の修正
ここまでご説明したさまざまなことを鑑みて、連結業績の修正予想値を発表しました。売上高は752億円、営業利益はマイナス9億6,000万円、経常利益は為替の差益が働いてプラス9億9,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3億2,000万円に修正しています。
大きな要因に、今の実績に加えて、円安が進んだこととエネルギーコスト高などが挙げられます。電力費は8億円弱、生産原料費は5億円弱、当初予想よりも増えると見込んでいます。
2023年3月期通期の個別業績予想値の修正
単体の数字も修正しました。売上高は520億円、営業利益はマイナス14億7,000万円、経常利益はプラス9億2,000万円、親会社に帰属する当期純利益は5億8,000万円に修正しています。
過去にない非常に厳しい数字ということで、会社としても何が問題だったかを分析しています。エネルギーコストの上昇や円安の問題に加えて、それ以外にも目に見えない影響があったのではないかと考えています。
1つの例として、コロナ禍の影響があります。今は店頭で試食販売ができず、きのこを多くの消費者のみなさまに知ってもらうチャンスを失っています。それがボディーブローのように効いてきて、非常に苦しい状況になったのではと考えています。先行きが見えず、いつ改善されるのかわからない状況にありますが、「他にもっとできることがあったのではないか」と考えながら分析を進めているところです。
電力費が数年前の水準に簡単に戻ることは考えにくく、今後はエネルギーコスト高や円安基準の状況等々を見ながら、対策を考えていかなければならない状態です。
最近の取組事項
最近の取組事項を1つ紹介します。きのこと一緒に楽しむ野菜炒めの素「いためのこ」を、新商品として10月1日に発売しました。スーパーの青果売場など、きのこを販売している場所の近くに設置しています。
まだ全国ではありませんが、いろいろなところで販売を始めたところです。バリエーションは和・洋・韓の3種類で、和はピリ辛カツオ、洋はガーリック、韓はヤンニョムを展開しています。
簡便に味付けできて、きのこがあれば手軽に作れて、豊富な栄養が摂れることを考えた商品です。「いためのこ」という商品自体の売上アップを図りながら、「きのこも買っていこう」と一緒に購入してもらう機会を作り、連鎖反応を起こすことができればと考えています。
身体作りや健康志向などの風潮がある中で、新たな取り組みの1つとしてこの商品の提供を始めたところです。お近くのスーパーで見つけたら、ぜひご賞味いただければと思っています。
以上が、2023年3月期第2四半期の決算説明でした。ご清聴ありがとうございました。
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