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日経平均株価のニュース
明日の株式相場戦略=波乱局面でも投資資金は巡り続ける
きょう(15日)の東京株式市場は前日の米株波乱安を受け下値模索を余儀なくされた。しかし、取引開始前は「日経平均2万円大台割れもやむなし」的な大荒れムードが漂っていたものの、朝方9時半過ぎに2万100円台で底値をつけてからは漸次下げ渋る動きをみせた。前場後半以降は、ほぼ2万300~400円のゾーンでの往来に終始、大引けはこのボックス圏のほぼ上限で着地した。ひとことで言うなら、打たれ強さを発揮する形となった。
米債券市場で米10年債利回りが2年債利回りを下回る「逆イールド現象」が発生、これは景気後退入りの前兆とされる現象で、しかもリーマン・ショック前の2007年6月以来、12年2カ月ぶりということもあり、否応なくマーケットの緊張感が高まった。実際、米国株市場ではNYダウが800ドル安という暴落となり、リスクオフの円高も進行した。日本株も強烈な売りの洗礼を浴びると覚悟せざるを得ない局面で踏みとどまったのは、嬉しい誤算だったといえるかもしれない。
もっとも売買代金をみれば連日で2兆円を割り込んでおり、リスクパリティファンドの機械的な売りに対し、日銀のETF買いと年金資金の政策買いが支えるという無機質な攻防が繰り広げられた格好となっている。今晩の米国株がリバウンドして、あすの日経平均もそれに追随したとしても、これで2万円割れの危機が回避されたということにはなりそうもない。
だが、光明は見えないのかといえばそうではない。繰り返しになるが半導体製造装置関連が強さを発揮している。世界景気の後退局面が近づいているというコンセンサスがマーケットに生まれるなかで、これは何を意味しているのか。きょうはマスクブランクス検査装置で独占的世界シェアを誇るレーザーテック<6920.T>が上場来高値を更新。東京エレクトロン<8035.T>やディスコ<6146.T>、アドバンテスト<6857.T>などは下げたとはいえ押しは浅い。更に中小型株ではタツモ<6266.T>が大幅高。また半導体製造装置向け部品を手掛けるフェローテックホールディングス<6890.T>も急伸。半導体市況回復が近いということを暗示しているとすれば、今後も物色の裾野が広がっていく可能性がある。
このほか、個別では環境管理センター<4657.T>が引き続き強い。9%超の上昇で7連騰、しかも日を追って人気を加速させている。あすに決算を控えており、ここで継続保有するのは本来であればセオリーに反するはず。それを承知のうえで、その日の板で対応するデイトレードの結果が反映されているのだとすれば、個人投資家資金の懐の深さを感じさせる。
東証REIT指数はきょうも高かった。リスクオフの大波が押し寄せるなかでは、何でもかんでもキャッシュに戻して手元に置いておくというのが妥当と考えがちだか、資金の太い流れはそれほど単純には変わらないということを証明している。韓国系資金の流入が取り沙汰されるREITだが、外部環境が暴風雨でも淡々と買い進む動きは、やはり注目を怠れない。6月以降の金やニッケル市況の上昇加速についても、流入する資金の性質は違えど同様のメカニズムで、いわゆる波の上下動(ボックス往来)とは異なる上げ潮(上昇トレンド形成)の典型といえる。リスクアセットを叩き売るようなムードの中にあっても、投資マネーが流れ込む入り江は常に存在している。
日程面では、あすは寄り前に財務省から対外・対内証券売買契約が開示される。また、海外では日本時間夜に7月の米住宅着工件数や8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調べ)などが発表される。(中村潤一)
出所:minkabuPRESS
米債券市場で米10年債利回りが2年債利回りを下回る「逆イールド現象」が発生、これは景気後退入りの前兆とされる現象で、しかもリーマン・ショック前の2007年6月以来、12年2カ月ぶりということもあり、否応なくマーケットの緊張感が高まった。実際、米国株市場ではNYダウが800ドル安という暴落となり、リスクオフの円高も進行した。日本株も強烈な売りの洗礼を浴びると覚悟せざるを得ない局面で踏みとどまったのは、嬉しい誤算だったといえるかもしれない。
もっとも売買代金をみれば連日で2兆円を割り込んでおり、リスクパリティファンドの機械的な売りに対し、日銀のETF買いと年金資金の政策買いが支えるという無機質な攻防が繰り広げられた格好となっている。今晩の米国株がリバウンドして、あすの日経平均もそれに追随したとしても、これで2万円割れの危機が回避されたということにはなりそうもない。
だが、光明は見えないのかといえばそうではない。繰り返しになるが半導体製造装置関連が強さを発揮している。世界景気の後退局面が近づいているというコンセンサスがマーケットに生まれるなかで、これは何を意味しているのか。きょうはマスクブランクス検査装置で独占的世界シェアを誇るレーザーテック<6920.T>が上場来高値を更新。東京エレクトロン<8035.T>やディスコ<6146.T>、アドバンテスト<6857.T>などは下げたとはいえ押しは浅い。更に中小型株ではタツモ<6266.T>が大幅高。また半導体製造装置向け部品を手掛けるフェローテックホールディングス<6890.T>も急伸。半導体市況回復が近いということを暗示しているとすれば、今後も物色の裾野が広がっていく可能性がある。
このほか、個別では環境管理センター<4657.T>が引き続き強い。9%超の上昇で7連騰、しかも日を追って人気を加速させている。あすに決算を控えており、ここで継続保有するのは本来であればセオリーに反するはず。それを承知のうえで、その日の板で対応するデイトレードの結果が反映されているのだとすれば、個人投資家資金の懐の深さを感じさせる。
東証REIT指数はきょうも高かった。リスクオフの大波が押し寄せるなかでは、何でもかんでもキャッシュに戻して手元に置いておくというのが妥当と考えがちだか、資金の太い流れはそれほど単純には変わらないということを証明している。韓国系資金の流入が取り沙汰されるREITだが、外部環境が暴風雨でも淡々と買い進む動きは、やはり注目を怠れない。6月以降の金やニッケル市況の上昇加速についても、流入する資金の性質は違えど同様のメカニズムで、いわゆる波の上下動(ボックス往来)とは異なる上げ潮(上昇トレンド形成)の典型といえる。リスクアセットを叩き売るようなムードの中にあっても、投資マネーが流れ込む入り江は常に存在している。
日程面では、あすは寄り前に財務省から対外・対内証券売買契約が開示される。また、海外では日本時間夜に7月の米住宅着工件数や8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調べ)などが発表される。(中村潤一)
出所:minkabuPRESS
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