ドル円124円割れで個人投資家が爆買い!?

著者:川島寛貴
投稿:2015/08/13 20:01

人民元の切り下げに慣れたマーケット

2度あることは3度あるかのごとく、本日も中国は人民元の切り下げを行いました。これで約5%の元安です。ある証券会社のレポートをみてみると10%程度までは十分可能性があるとの見解が載せられていました。

人民元/円は2012年の12円台から2015年5月に20円台まで上昇したのです。分かり易くいうとドル円が72円から120円まで上昇したことと同じ上昇率となります。

これだけ元高になっており、中国経済も悪ければ多少の介入は許されるということでしょう。

しかし、連日の切り下げにより徐々にマーケットは慣れて(飽きたというほうが正しいかもしれません)きており、切り下げ幅も縮小。どうやらこのネタにも飽きてきたようで、日経平均が瞬間的に200円ほど下落するというすさまじさを見せたものの、あっという間に切り替えしました。ここで先物を売りで突っ込んだ人が多かったのでしょう。後場から高値で始まり、徐々に上値を拡大。終わってみれば200円高となり昨日の下落が嘘のような展開となりました。

やはりドル円の124円割れは買いだった

昨晩大きく下落したドル円はNYクローズでは124円台を維持。これが非常に大きかった。
123円台に突っ込んだものの、NY後場になりダウの上昇とともに買い戻されたようです。そしてどうやらここで大きくドル円を買ったのは日本人個人投資家も大勢いたようです。

あるFX会社の売買比率を見てみると、ドル円の買い比率が昨日大きく増えていることが分かります。他のFX会社も顧客ポジションも同様にドル円の買いポジションが大きく膨らんだようです。

8月に入ってからドル円の124円割れは3回ありました。しかし、いづれもNY後場で買われているのです。つまりNYではドル買い需要が出るということなのです。このパターンが崩れない限り、ドル円の大幅下落はないとみています。

お盆明けの上昇に備える

さて、今夜から明日にかけてのドル円ですが、オーダーを見る限り一発で125円を越えてくることはないだろうとみています。
しかし、今夜の小売売上高はアマゾンのキャンペーンセールの影響から少なくとも悪いものは出ないと見られているので、発表後はドルロングの利食い場を提供することになりそうです。

今まで通り125円は妙に売りが出てくることから、しっかりと超えてから追いかけた方が無難でしょう。

今回の中国の騒動に関する日経平均の下落は、7月の中国株の下落と似たようなものを感じてしまいます。今回も前回同様急落した後は急騰しました。

そして、焦点となるインバウンド銘柄ですが本日はインバウンド銘柄の本命であるラオックス(8202)が好決算を発表しました。

もちろん今回の人民元安を織り込んではいないのですが、これは良い刺激材料となります。
日経平均先物は現在20600円台、欧州株価もさすがに自律反発も入り1.5%高。地合いは整ってきました。

さぁ、お盆明けまであと1日です。来週から日本の機関投資家の休み明けの出動で日経平均が上昇し、それにけん引されドル円が上昇するというシナリオは継続です。

今年も昨年の上昇相場の再来となるかどうか!?答えが出るのはもうすぐです!
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想