【買い】日本碍子(5333):セラミック技術を軸に世界シェアトップ製品やオンリーワン製品を数多く創出=GLA小池麻千子

投稿:2015/07/13 00:22

セラミック技術を軸に世界シェアトップ製品やオンリーワン製品を数多く創出

ガイシで世界一。同社はセラミック技術を軸に世界シェアトップ製品やオンリーワン製品を数多く創出しています。

2015年3月期の業績は、売上高が22.7%増の3786億6500万円、営業利益が39.2%増の615億7700万円、経常利益が33.3%増の610億6800万円、当期純利益が53.5%増の415億400万円と大幅増収増益となりました。売上高営業利益率は14.3%から16.3%に改善しました。

事業別に見てみると、

・電力関連事業の送変電用ガイシは、世界シェアトップ。NAS(ナトリウム硫黄)電池はオンリーワンです。北米、中近東、東南アジア等の堅調な海外需要に加え、国内電力会社の設備更新による売上増もあり、前年比増収となりました。

・セラミックス事業の排ガス浄化用セラミックスガソリン専用は世界シェア50%、排ガス浄化用セラミックスディーゼル専用は世界シェアトップクラス。

欧州や中国で、新たに排ガス規制が適用された事で、需要が拡大しています。特に自動車関連事業においては、触媒用セラミックス担体(ハニセラム・大型ハニセラム) やSiC製ディーゼル・パティキュレート・フィルター、NOxセンサーの需要が大幅に増加しました。NOx センサーの生産能力は現在の年間700 万本から2015年10月には1,000 万本へ。さらに2017年4月には1,700 万本へ引来上げる計画です。

・エレクトロニクス事業ではベリリウム銅展伸材が世界シェア50%を誇ります。半導体製造装置用セラミックス製品は、モバイル製品の拡大を背景に需要が増加したことが寄与しました。スマートフォンの普及拡大によって今後も需要増を期待できると思います。

同社は売上げ高の約50%が環境貢献製品です。2015年3月期は欧米・中国で排ガス規制が強化されたことなどを受けて関連製品の需要が拡大しましたが、今後もこの流れは変わらないと思います。

そして今後、需要増が見込まれる東南アジア・インドなどアジア新興国市場への事業展開を進めています。5月25日にはタイに生産拠点を設立し安定供給を目指しています。この製造子会社の設立により、利益が2016年3月期より反映するため、増益見通しとなっています。

2016年通期予想は売上高が10.9%増の4200億円、営業利益が21.7%増の350億円、経常利益が13.0%増の690億円、当期純利益が15.6%増の480億円、年間配当金は2円増配の30円とする方針です。

2016年も、欧米・中国における排ガス規制の強化と円安が追い風となるでしょう。そして積極的に投資し、中長期的な事業拡大に取り組んでいる事から、今後の業績拡大が期待できると思います。

株価は50日線を一旦割り込んだところから反発しており、調整局面は終了したと見えます。第1四半期決算発表に向けて期待できるのではないでしょうか?
小池麻千子
グローバルリンクアドバイザーズ 株式アナリスト
配信元: 達人の予想

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