“さらなる上値追い”を示唆する動きだが、目先は“小休止”…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/05/21 10:51

◆堅調推移を継続、上値を次々と突破

※ご注意:予想期間は5月22日と表示されていますが、本日(5月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


あぁ、やはり「押し目待ちに、押し目なし」なのか…。
前日にレンジから上放れたドル円は、昨日も堅調推移を継続しました。

4/13高値(120.839円)を突破してすんなり121円台に乗せると、NYタイム序盤には3/20高値(121.190円)を、そしてFOMC議事録が公表されたNYタイム終盤には3/18高値(121.401円)を、それぞれ突破する動きを見せています。

その注目のFOMC議事録(4月28-29日開催分)では、「6月利上げの可能性はほぼなくなった」ことが示唆されました。
この影響にて瞬間的にドル売りが強まる場面がありましたが、「1-3月期の景気減速は一時的」との楽観論が支持されたことがあらためて伝わると、一転してドル買いに傾きました。
3/18高値突破はこの際の動きであり、「9月利上げの可能性は残された」格好といえます。

とはいえ、122円ラインを窺うほどの勢いは見られず、その後は利益確定売りから121円付近へと押し戻されました。
それでもレンジを上放れた前日来のトレンドを反転させるほどではなく、堅調推移を維持したままで昨日の取引を終えています。

◆“イメージ先行”のドル買いには“自ずと限界あり”…?

今週最大の注目であるFOMC議事録を終えたことで、米国関連でいうと今後は再び経済指標を睨む展開が想定されるところです。
本日は強め予想の経済指標が相次いでいますが、米利上げ時期は“依然として不透明”“内容次第で浮き沈み”といった状況は変わっておりません。
こうした状況下でのドル買いは“イメージ先行”の感が否めず、そうした状況下でのドル買いには“自ずと限界あり”と考えざるを得ません。

◆“さらなる上値追い”を示唆する動きではあるが…

“過熱感なく”“ジリジリと上値を拡大”する動きは“さらなる上値追い”の可能性を示唆するものですが、ギリシャ債務を巡る欧州首脳会合を前にマーケット(特にユーロ)には警戒感が拡大しつつあります。
また日銀金融政策決定会合が行われる中、円を売り下がる(ドルを買い上がる)といった展開も想定しづらいところです。

「押し目待ちに、押し目なし」となるリスクと闘いながら、目先は“小休止”“利益確定売り優勢”と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:122.551(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:122.000(大台、3/10高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:121.844(12/8高値水準)
上値2:121.660(3/11-12高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:121.456(5/20高値)
前営業日終値:121.296
下値1:121.000(大台)
下値2:120.749(ピボット1stサポート)
下値3:120.555(5/20安値)
下値4:120.474(5/13~5/20の38.2%押し)
下値5:120.171(日足・一目均衡表転換線、5/13~5/20の50%押し、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:37 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想