イベント控えて“動きづらい”が、“下値は堅い”…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/05/07 10:37

◆冴えない米経済指標で再び119円台へ…

※ご注意:予想期間は5月8日と表示されていますが、本日(5月7日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


120円にしっかりと乗せたかに見えたドル円でしたが、冴えない米経済指標の影響にて再び119円台へと押し戻されています。

キッカケは“3月指標”である米貿易収支(5日)でした。
2008年10月以降最大の赤字(-514億ドル)を記録したことで、大きく落ち込んだ米1-3月GDPが“さらに下方修正される”との思惑につながりました。

この余韻の中で発表された注目の“4月指標”であるADP雇用統計(民間・6日)は、非農業部門雇用者数が2014年1月以来の増加幅(+16.9万人)に留まりました。
+22.5万程度と予想されている米雇用統計(8日)の“下振れリスク”として意識され、119円前半へとドル売りを誘いました。
もっとも欧州債利回りの上昇につれて米10年債利回りは2.25%へと上昇しており、そこからのさらなる下値追いは抑制されました。

◆イベント控え、本日は動きづらい…?

こうした中で本日は、“明日の米雇用統計待ちムード”から動きづらい展開が想定されるところです。
昨日のADP雇用統計からは“本番への期待感”が後退させざるを得ず、上値の重さが指摘されるところです。
一方でADP雇用統計と本番との傾向は“必ずしも一致するものではありません”ので、ここからの下値追いには躊躇いが発生すると見られます。

◆ただ、サポート要因は盛りだくさん…!?

119円前半~半ばには主要なテクニカル《日足・一目均衡表先行スパン下限(本日は119.441円)/転換線(同119.497円)、20日移動平均線(同119.463円)/100日移動平均線(同119.342円)》も凝縮しています。
やや割り込んでいるのは気になりますが、「利上げに後ろ向き」との見方は要人発言を探る限りは見られていませんので、収斂圧力が働く可能性も期待できるところです。
また欧州債に引っ張られているとはいえ、米10年債利回りは上昇傾向を示しています。
何より本日からは、本邦勢が市場に回帰してきます。

“動きづらい”ところではありますが、“下値は堅い”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:120.490(5/5高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:120.041(5/6高値、5/5~5/6の61.8%戻し、大台)
上値3:119.913(50日移動平均線、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値2:119.842(5/5~5/6の50%戻し)
上値1:119.759(日足・一目均衡表先行スパン上限/基準線、5/5~5/6の38.2%戻し)
前営業日終値:119.461
下値1:119.343(100日移動平均線)
下値2:119.195(5/6安値)
下値3:119.000(大台、ピボット1stサポート)
下値4:118.720(ピボット2ndサポート)
下値5:118.504(4/30安値、4/17-20安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:59 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想