下値への懸念残るも、“目先の底は打った”…?

著者:武市佳史
投稿:2014/12/10 11:08

◆利益確定売り/ポジション調整が一気に進行 - 円全面高

※ご注意:予想期間は12月11日と表示されていますが、本日(12月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

あぁ、撃沈…。
調整色が強まる中、117円台への急落を見せました。

東京タイム序盤は121円回復をトライする動きも見られましたが、株安連鎖に伴うリスク回避姿勢がそれを上回りました。
特にレポ取引の担保厳格化に伴った上海株急落の影響が大きく、円全面高の様相を呈しました。

“11/27~12/8の50%押し”と“日足・一目均衡表転換線”とが重なる119.50円では、一時下げ止まるかにも思われました。
しかし米10年債利回りが2.26%⇒2.18%へと急低下、NYダウが220ドル超の下落を見せるに従って、堪え忍ぶことは出来ませんでした。
後はストップロスを絡めて、117.94円まで一気に駆け降りています。

さすがに“下げ過ぎ”ということもあり、米10年債利回りが2.23%台へと持ち直し、NYダウが43ドル安へ下落幅を縮小するタイミングで119.80円へ持ち直しましたが、利益確定売り/ポジション調整が一気に進行した格好といえます。

◆“目先の底を打った”可能性あり…?

昨日の急落で「全てのドル買い・円売りポジションが解消された」という訳ではないでしょうから、下値への懸念は引き続き抱えることになるのは否めません。

ただ昨日の118円台における“急落⇒急反発”は、どちらも“30分弱”で駆け抜けています。
特に“急落”時より“急反発”時のスピードが速く、日足を見ると大きな下髭が描かれています。
どちらも“目先の底を打った”可能性を示すものです。

◆ただ下方向へのリスク管理はタイトに…

ギリシャでは大統領選出を巡る政局不安が懸念されているなど、リスク回避の芽は燻り続けています。
このため再び円買いが促される可能性は残っており、下方向へのリスク管理は徹底する必要があります。
それでも“目先の底を打った”と見て、買い拾いたいところです。

週が明けてからの急落を想定できず、曲がり屋と化している感のある私がいうのも何ですが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:121.127(ピボット1stレジスタンス)
上値4:120.996(12/9高値)
上値3:120.356(12/8~12/9の61.8%戻し、12/9高値後の76.4%戻し)
上値2:119.896(12/8~12/9の50%戻し、12/9高値後の61.8%戻し)
上値1:119.792(日足・一目均衡表転換線、12/9安値後のNYタイム戻り高値)
前営業日終値:119.669
下値1:119.091(12/9安値後の38.2%押し、大台)
下値2:118.872(12/9安値後の50%押し)
下値3:118.654(12/9安値後の61.8%押し)
下値4:118.426(20日移動平均線)
下値5:118.079(ピボット1stサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:32 ドル円 抵抗・支持ライン追加
11:46 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想