突破(ブレイク)には新たな材料が欲しい…

著者:武市佳史
投稿:2014/11/05 11:04

◆幾度もポジション調整促されるも、持ち直す展開

※ご注意:予想期間は11月6日と表示されていますが、本日(11月5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

大幅上昇を見せた日経平均でしたが、寄り付き直後に高値をつけた後は伸び悩んだことが、円買い戻しを誘いました。
原油安がリスク回避姿勢を誘った欧州タイムには、クロス円全体が押し下げられました。
米貿易収支が赤字拡大となったNYタイムには、ドル売りが優勢となりました。
その度にドル円は下値を模索し、113円前半へと押し下げられました。
ただ113円を割り込むほどの勢いは見られず、すぐさま113円半ばへと持ち直しています。

◆“円売り圧力が衰える”は想定しづらい

こうして“ポジション調整”は入ったものの“下値の堅さ”も目立っており、本日も“113円台での揺れ動き”を踏襲する可能性が高まっています。

オーダー状況を見ると、113.70-80円に展開するドル売りオーダーが厚みを増しています。
短期的な下落行き過ぎ感は残存していますので、上値が押さえやすい雰囲気が漂っています。
一方で、113.20-10円にはまとまったドル買いオーダーが展開しています。
昨日流れたECB内の確執報道(ドラギ総裁の政策運営手法に各国中銀は不満)は、“ECB追加緩和観測を後退”させており、“主要3極で最もハト派なのは日銀”と見られやすくなっています。
このため“円売り圧力が衰える”とは思いづらく、両サイドをガッチリと固められた格好といえます。

◆ただ欧米経済指標までは動きづらい…!?

このため突破(ブレイク)には“相当骨が折れる”といえ、新たな材料が欲しいところです。
米中間選挙の開票速報がまずは注目されますが、仮に共和党が上院の過半数を制したとしても、絶対安定(60議席)に届かないと見られます。
大きな混乱には陥らないと見るのが自然です。

そうなると仏・独・欧サービス業PMI/欧小売売上高、ADP雇用統計/ISM非製造業PMI等の結果次第ということになりますが、それまでは“動きづらい”ということになります。

一旦“ポジション調整”が入り、“下値の堅さ”も目立ったことから、“期待は上方向”と考えていいと思います。
ただその前に“もう少し揺れ動く”と見ておいた方が、無難といえそうです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.816(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:114.640(2007/12/27高値)
上値3:114.399(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:114.207(11/3高値)
上値1:113.983(11/4高値、ピボット1stレジスタンス、大台)
前営業日終値:113.604
下値1:113.169(11/4安値、ピボット1stサポート)
下値2:113.000(大台)
下値3:112.771(ピボット2ndサポート)
下値4:112.481(10/31高値、11/3安値、窓埋め)
下値5:112.374(ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:29 ドル円 抵抗・支持ライン追加
12:33 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想