6月が終わり、7月相場が始まりました。
いつもの週次振り返りとは少し趣向を変えて、6月ひと月を総括しながら、7月の見通しをお伝えしたいと思います。
6月の相場を振り返る
6月の日本株市場は、歴史的な一ヶ月となりました。日経平均株価は取引時間中に7万円台を突破し、終値ベースでも高値圏を維持して月を終えました。
上昇を牽引したのは、AI・半導体関連の大型株です。AIサーバー向けの需要拡大や半導体部材の需給ひっ迫を背景に、電気機器や半導体関連の銘柄に資金が集中しました。
ただし、ここで冷静に見ておきたいことがあります。
日経平均が7万円台をつけたからといって、市場全体が均等に上昇したわけではありません。中小型株や内需関連株には出遅れ感が残り、東証グロース市場の一部銘柄は蚊帳の外でした。日経平均という「指数の顔」は明るくても、銘柄によって明暗がはっきりと分かれた月でもありました。
6月には二つの大きな政策イベントもありました。日本銀行は6月16日に政策金利を1.0%へ引き上げました。1990年代以来となる水準です。本来であれば株式市場への逆風になりかねない材料ですが、市場がすでに織り込んでいたこともあり、発表後に相場が大きく崩れる展開にはなりませんでした。円安への対応として金融正常化が進んでいると前向きに受け止められ、銀行・保険株には利ざや改善期待から買いが入りました。
米国では6月17日のFOMCで政策金利が据え置かれましたが、声明の内容はインフレへの警戒感が残るものでした。ウォッシュ新議長のもと、FRBは今後も経済データを確認しながら慎重に政策判断を行うという姿勢を示しています。それでも米国株は崩れず、ナスダックは月間で力強い上昇を記録しました。
7月の注目ポイント
7月は、相場の方向性を決める材料が集中する月です。
7月2日には米国6月雇用統計が発表されました。雇用者数は予想の11万人を大きく下回り、5.7万人と予想以上に弱かったことで、景気後退懸念が意識されます。「強すぎず、弱すぎない」数字が株式市場にとって望ましい結果でしたが、今後の米国の景気動向に注意が必要です。
7月14日には米6月CPI(消費者物価指数)、続いて15日にPPI(生産者物価指数)が発表されます。インフレが落ち着いているかどうかの確認です。
そして月末には、7月29日のFOMC結果発表と、7月30〜31日の日銀金融政策決定会合が重なります。日銀が追加利上げに向けたシグナルを出すかどうかが、円相場と銀行株の動きを左右します。
7月はまた、米国主要企業の決算シーズンでもあります。AI関連企業の業績と設備投資の見通しは、日本の半導体関連株にも直接影響します。決算の中身が期待を下回った場合、6月に急上昇した銘柄には利益確定売りが出やすくなる点は念頭に置いておく必要があります。
藤村からひと言
6月の相場を振り返って、私が最も気になったのは「AIへの過信」。
ロボアドバイザーや自動運用サービスは確かに便利です。手間をかけずに分散投資ができ、長期積立という観点では有効な選択肢の一つです。
しかし今のような相場「AI・半導体に資金が集中し、銘柄間の二極化が極端に進んでいる局面」では、自動化されたアルゴリズムが苦手とする「判断」が求められます。
今、本当に買われるべき銘柄は何か。過熱した銘柄から資金が移るとしたら、どこへ向かうのか。決算で期待を裏切った銘柄をどのタイミングで手放すか。こうした問いに、AIは答えを出してくれません。
私が長年、個人投資家の方々と向き合ってきた中で実感することがあります。相場が一方向に動いているときほど、自分の頭で「なぜ今、この銘柄が買われているのか」を考える習慣が大切だということです。
ツールやAIを活用することは大いに結構です。しかし判断は、あなた自身の理解に基づいていなければなりません。7月は、その「理解」が問われる月になると思っています。
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。掲載情報は執筆時点のものであり、最新情報と異なる場合があります。
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