~超硬小径エンドミルで業界No.1、新たな市場開拓へ~
・主力原材料の1つであるタングステンの価格が高騰している。米中貿易摩擦を受けて、レアアースの需給がタイト化し、国際市況は一時7倍となり、その後も高止まりしている。中国の輸出規制もあり、資材メーカーはタングステンの調達が苦しい。
・この影響が、今2027年3月期の半ばから超硬工具の仕入れ材の価格に反映してこよう。競合を見ながら、内外の販売価格に転嫁していくことになろう。8月受注分から価格改定がスタートするが、タイムラグが想定されるので、今下期の業績は落ち込もう。
・数年かけて、中国以外の国やリサイクルの活用など、調達の多様化がサプライチェーン全体で進むことになろう。来期の業績は、タングステンの供給制約の行方次第だが、慎重に見る必要がある。一方で事態が好転すれば、業績の回復テンポは早まろう。
・中国では、政府の方針として自国製工具への切り替え圧力を強めている。今後、中国産工具の利用が進むとしても、高性能、高効率の加工を必要とする領域では、日進工具のエンドミルに追い付けないので、高級品分野で一定の需要は確保できよう。インドは有望で、中国からベトナムへの対応も進めている。
・自動車関連から半導体関連の電子部品、産業用の精密部品へのシフトは一段と進むことになろう。AI向けデータセンターが増大し、発電用の設備需要も大きく伸びるので、用途の広がりが期待できる。新製品の開発では、アジャイル型の開発に舵を切っている。顧客ニーズに合わせて開発に当たってきたが、このペースを上げている。新製品に対するプライシングについては、性能・効果に見合って対応していくことになろう。
・当社は、もともと規模を追求していない。高収益、高効率経営を目指している。エンドミルの高性能製品では、世界トップクラスであり、競争優位性に陰りは見えない。
・継続的増配が続いており、今2026年3月期の配当も30円を予定している。今後ともフリーキャッシュフローが積み上がってこよう。いずれ大型設備投資が必要になるとしても、内部資金で十分充当できよう。キャッシュを過度に積み上げないという点で、タイミングを見て自社株買いや継続的な増配が実行されよう。
目次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 ユニークな精密・微細加工技術で内外の新市場を開拓
4.当面の業績 タングステンの市況高騰の影響で、今2027年3月期は減益へ
5.企業評価 競争力を強化し、高収益へ復帰をめざす
| 企業レーティング | B |
|---|---|
| 株価 (2026年6月1日) |
846円 |
| 時価総額 | 212億円 (25百万株) |
| PBR | 1.13倍 |
| ROE | 6.5% |
| PER | 17.3倍 |
| 配当利回り | 3.5% |
| 総資産 | 19595百万円 |
| 純資産 | 17851百万円 |
| 自己資本比率 | 90.1% |
| BPS | 751.9円 |
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017.3 | 8825 | 2013 | 2026 | 1420 | 56.8 | 20.0 |
| 2018.3 | 9767 | 2685 | 2733 | 1903 | 76.1 | 22.5 |
| 2019.3 | 10476 | 2879 | 2894 | 1970 | 78.8 | 22.5 |
| 2020.3 | 9531 | 2219 | 2231 | 1545 | 61.8 | 22.5 |
| 2021.3 | 8100 | 1512 | 1712 | 1214 | 48.6 | 17.5 |
| 2022.3 | 9524 | 2111 | 2156 | 1522 | 60.9 | 22.5 |
| 2023.3 | 9656 | 2108 | 2131 | 1475 | 59.2 | 22.5 |
| 2024.3 | 9040 | 1867 | 1908 | 1320 | 53.0 | 27.5 |
| 2025.3 | 9431 | 1767 | 1779 | 1264 | 50.8 | 30.0 |
| 2026.3 | 9494 | 1959 | 2011 | 1442 | 58.4 | 30.0 |
| 2027.3(予) | 9900 | 1650 | 1650 | 1150 | 49.0 | 30.0 |
(2026.3ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。 2017年 1月に 1:2、2021年 4月に 1:2の株式分割を実施。2022.3期以前の EPS、配当は修正ベース。 2017.3期は 2部上場記念配 (5円)、 2018.3期は 1部上場記念配 (5円)、2024.3期は創業 70周年記念配(2.5円)を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/niltusinnkougu202606.pdf
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