豪ドル
RBA(豪中銀)は2月・3月・5月と3会合連続でそれぞれ0.25%の利上げを実施。5月29日時点のRBAの政策金利は4.35%です。
RBAの利上げはいったん停止されると市場は予想。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、次回6月15-16日と次々回8月の会合で政策金利は据え置かれて、11月か12月のいずれかで0.25%の追加利上げが行われるとの見方が優勢です(5/29時点)。
26年に入り、FRBや日銀、ECB、BOEが政策金利を据え置く一方で、RBAは利上げを継続し、そのことが豪ドルにとってプラスになってきたと考えられます。RBAの利上げ停止観測が一段と強まる場合、豪ドルは対円や対米ドルで上値が重い展開になるかもしれません。FRBの利上げ観測が強まることも加われば、豪ドル/米ドルは下押し圧力が加わる可能性があります。
豪ドルには投資家のリスク意識を反映しやすいという特徴があります。中東情勢をめぐる懸念が後退するなどしてリスクオン(リスク選好)が強まる場合、豪ドルのサポート要因になりそうです。
対米ドルでの円安への本邦当局の対応にも注目です。本邦当局が米ドル売り・円買い介入に踏み切れば米ドル/円が大きく下落し、対円の通貨ペアである豪ドル/円もそれに引きずられると考えられます。
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【豪ドル/NZドル】
RBAとRBNZ(NZ中銀)の先行きの金融政策に関する市場の見方を踏まえると、豪ドル/NZドルには下落圧力が加わりやすいと考えられます(*RBNZの金融政策の詳細はNZドルの項をご参照ください)。
NZドル
RBNZ(NZ中銀)は5月27日の政策会合で政策金利を2.25%に据え置くことを決定。ただ、その決定は3対3の同数となり、ブレマン総裁やシルク総裁補、コンウェイ・チーフエコノミストの3人は政策金利の据え置きを、残りの3人は0.25%の利上げを行うことを支持。ブレマン総裁が最終的に政策金利の据え置きを決定しました。
市場では同中銀による利上げ観測が強まっており、OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、RBNZは次回7月8日の会合で利上げを開始し、12月末までに0.25%の利上げを3回行うとの見方が優勢です(5/29時点)。RBNZの会合は12月末までにあと4回(7月、9月、10月、12月)開催されます。
RBNZの利上げ観測が今後一段と強まる場合、NZドルが堅調に推移して、NZドル/円やNZドル/米ドルは上値を試し、豪ドル/NZドルは下値を試す展開になりそうです。NZドル/米ドルについては、FRBの利上げ観測が強まるようであれば、伸び悩む可能性があります。
豪ドルと同様、NZドルは投資家のリスク意識を反映しやすいという特徴があり、リスクオン(リスク選好)が強まることはNZドルにとってプラスです。
本邦当局が米ドル売り・円買い介入を実施すれば、米ドル/円が下落しそう。その場合、NZドル/円は米ドル/円に引きずられると考えられます。
カナダドル
BOC(カナダ中銀)は25年10月に利下げを実施した後、前回4月まで4会合連続で政策金利を2.25%に据え置きました。
市場は、BOCの利下げは打ち止めで、次の一手は利上げになるとみています。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、BOCは12月末までに0.25%の利上げを1回(タイミングは10月か12月?)行うとの見方が優勢です(5/29時点)。BOCの利上げ観測が今後強まれば、カナダドルにとってプラスになると考えられます。
原油価格の動向にも注目です。原油価格の上昇は本来、産油国の通貨であるカナダドル高要因と考えられます。ただ、米ドル/カナダドルについては、原油価格の動向以上にリスクオン/オフや、FRBの先行きの金融政策に関する市場の見方の変化により影響を受けやすい傾向がみられます。リスクオフやFRBの利上げ観測が強まる場合、米ドル/カナダドルは底堅く推移する可能性があります。
7月に期限を迎えるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の共同見直しも注目されます。3カ国がUSMCAの延長で合意すれば協定は42年7月まで延長される一方、合意できなければ1年ごとの年次見直しへと移行します。延長で合意できなかった場合、協定の先行き不透明な状況が続くことからカナダドルにとってマイナスになるかもしれません。米国とメキシコは3月から2国間協議を開始しているものの、カナダとの協議は3月以降ほとんど行われていないようです。
南アフリカランド
SARB(南アフリカ中銀)は前回5月の政策会合で0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を6.75%から7.00%に引き上げました。SARBによる利上げは23年5月以来3年ぶりです。会合では、より大幅な0.50%の利上げをすることも議論されました。
南アフリカではインフレ圧力が強まっており、同国の4月CPI(消費者物価指数)は総合が前年比4.0%、コアが同3.6%と、上昇率はいずれも前月(それぞれ3.1%と3.2%)から加速し、SARBのインフレ目標である3%(2~4%が許容レンジ)を一段と上振れました。中東情勢や原油価格の動向次第では、SARBは今後追加利上げを行う可能性があります。追加利上げ観測が強まる場合、南アフリカランドは堅調に推移しそうです。
南アフリカランド/円については、対米ドルでの円安への本邦当局の対応にも注目です。本邦当局が米ドル売り・円買い介入を実施すれば、南アフリカランド/円は米ドル/円の下落に引きずられるとみられます。
メキシコペソ
BOM(メキシコ中銀)は前回5月の政策会合で0.25%の利下げを行いました。その一方、声明で「24年3月に開始した利下げサイクルを終了することが適切だと判断した」、「今後については、政策金利を(6.50%に)維持することが適切だと判断している」と表明。利下げ打ち止めを明言するとともに、政策金利を当面据え置く方針を示しました。
市場では、日銀やFRB、ECB、BOEの利上げ観測があります。ただ、それらの中銀が実際に利上げを行ったとしても、そのペースが緩やかであれば、BOMの政策金利の水準が高い状況は大きく変化しないと考えられます。金融政策面からみれば、メキシコペソは堅調に推移しそうです。
カナダドルと同様、原油価格の動向やUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の共同見直しにも注目。原油価格が堅調に推移すれば産油国の通貨であるメキシコペソにとってプラスになりそうです。ただし、USMCAの延長で3カ国が合意できなければ、メキシコペソの上値を抑える要因になる可能性があります。
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