ユーロドルは上値重い 明日はECB理事会 注目は来年に向けてのヒントか=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/12/12 02:18
 本日のNY為替市場は、11月の米消費者物価指数(CPI)にドル売りの反応を見せ、ユーロドルも一時1.0535ドル近辺まで買い戻されていた。しかし、ドル高期待が根強い中で、ユーロドルは上げを維持できずに、再び1.05ドルを割り込む水準に一時下落していた。下向きの流れを継続している21日線に沿った値動きをしており、ユーロドルは上値の重い展開となっている。

 明日は年内最後のECB理事会の結果が発表される。市場は確率85%程度で0.25%ポイントの利下げを有力視している。一部からは大幅利下げの可能性も排除できないとの声も出ているが、ECB理事は利下げの方向性には賛同しているものの、ペースについては慎重になっており、市場の予想通りの結果が期待されそうだ。

 その場合は、来年のヒントを探る上で、声明やラガルド総裁の会見が注目となる。市場は来年のECBの利下げのヒントを探している。ECBが発する利下げシグナルがユーロの見通しを左右するとの指摘も出ているようだ。

 市場は今回の利下げサイクルのターミナルレート(最終到達点)を1.75%と見込んでいる。0.25%ずつであれば、今回の利下げを含めてあと6回という計算になる。果たして、ラガルド総裁が利下げについてオートパイロット状態にあることを示唆するのか、それともデータ依存を強調するのかに特に注目すべきとの指摘も出ている。

 データ依存が可能性が高いとは思われるが、オートパイロットによる利下げ示唆ならば、それはECBがインフレ過程における変化を認識できないリスクを伴い、ユーロはこのリスクを負担しなければならないという。なお、ラガルド総裁がユーロ安がインフレに及ぼす影響についてどう考えているかも注目点だとしている。なお、今回はECBの経済見通しも公表される。

EUR/USD 1.0497 EUR/JPY 160.07 EUR/GBP 0.8234

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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