*12:06JST エルテス Research Memo(6):顧客数の拡大や顧客単価の向上が売上高の伸びをけん引(2)
■エルテス<3967>の決算動向
事業別の業績は以下のとおりである。
(1) デジタルリスク事業
売上高は前年同期比11.4%増の1,235百万円、セグメント利益は同22.9%増の496百万円と順調に拡大した。頻発する営業機密情報持ち出し事件や経済安全保障への関心の高まりを追い風として、「内部脅威検知サービス」が順調に伸びている。主要KPIであるID数は18.4万ID(前期末は11.1万ID)に増加し、さらに想定を上回るペースで増え続けている※1。また、第2四半期には複数の大型案件を獲得しており、下期業績への寄与が期待される。一方、ソーシャルリスク領域においては、米国のSVB(シリコンバレーバンク)経営破綻にも影響を与えたSNS発の預金流出リスクの顕在化に伴い、国内の金融機関でもSNSリスクへの対応検討が進んでいるようだ。なお、デジタルリスク事業における売上高の80%以上はサブスクリプション型のリカーリング(継続)収益であり、MRR※2も順調に積み上がっている。
※1 2023年11月末において25万IDを上回った(2024年2月末の目標は20万ID)。
※2 月額利用料金×顧客数で算出。
(2) AIセキュリティ事業
売上高は前年同期比13.6%増の701百万円、セグメント損失は8百万円(前年同期は40百万円の損失)と増収及び損失幅が改善した。警備需要が回復に向かうなか、新規営業体制と採用活動の強化が奏功し、警備サービスが好調に推移した。一方、警備DXサービスについても、コロナ禍の沈静に伴って大型イベントなどが再開し、主力の「AIK order」(警備マッチングサービス)への案件掲載が増加したほか、活用可能エリアの拡大(47都道府県)により全国展開企業の利用や問い合わせも増加傾向にあり、今後に向けて弾みをつけることができた。利益面では、警備DXサービスへの先行投資やのれん償却が利益を圧迫するも、増収効果やコスト削減により大幅な損益改善を実現し、第2四半期だけで見ると黒字化を達成した。
(3) DX推進事業
売上高は前年同期比647.2%増1,065百万円、セグメント損失は6百万円(前年同期は61百万円の損失)と大きく拡大し損失幅も改善した。大幅な増収となったのは、前期に実施したM&A(メタウン)が期初から寄与したことや、2023年7月に連結化したプレイネクストラボによる上乗せ分(1ヵ月分)が主因である。また、デジタルガバメント領域では複数自治体での大型案件支援が決定したほか、デジタル田園都市国家構想推進交付金※1の採択等により「スーパーアプリ」※2の導入を決定する自治体も増えてきたようだ。さらに事業会社DX支援についても、企業のDX人材の不足を補う形で順調に伸びてきたほか、スマートシティ事業については、不動産管理業務のデジタル化推進により、安定的な収益を生み出している。利益面では、デジタルガバメント領域への先行投資やのれん償却費が利益を圧迫するも、増収効果やコスト削減により大幅な損益改善を実現し、第2四半期だけで見ると黒字化を達成した。
※1 デジタルの活用などによる観光や農林水産業の振興等の地方創生に資する取り組みや拠点施設の整備などを支援するほか、地域の課題解決や魅力向上の実現に向けて、デジタル実装に必要な経費を支援するもの。
※2 住民サービスのデジタル化を推進する住民総合ポータルアプリのことで、JAPANDXが自治体向けに推進している。
3. 2024年2月期上期の総括
2024年2月期上期を総括すると、積極的な先行投資により営業損失を計上したものの、そもそも下期偏重の利益計画(上期は費用が先行)となる傾向があることや、重視するEBITDAは大きく増加していること、各セグメントではM&A先のPMIを含め、着実に収益の底上げができているところは評価すべきポイントと言える。また、活動面でも、今後に向けた事業推進の成果が出始めており、各事業の目指している方向性が具体的な形として見えてきた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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事業別の業績は以下のとおりである。
(1) デジタルリスク事業
売上高は前年同期比11.4%増の1,235百万円、セグメント利益は同22.9%増の496百万円と順調に拡大した。頻発する営業機密情報持ち出し事件や経済安全保障への関心の高まりを追い風として、「内部脅威検知サービス」が順調に伸びている。主要KPIであるID数は18.4万ID(前期末は11.1万ID)に増加し、さらに想定を上回るペースで増え続けている※1。また、第2四半期には複数の大型案件を獲得しており、下期業績への寄与が期待される。一方、ソーシャルリスク領域においては、米国のSVB(シリコンバレーバンク)経営破綻にも影響を与えたSNS発の預金流出リスクの顕在化に伴い、国内の金融機関でもSNSリスクへの対応検討が進んでいるようだ。なお、デジタルリスク事業における売上高の80%以上はサブスクリプション型のリカーリング(継続)収益であり、MRR※2も順調に積み上がっている。
※1 2023年11月末において25万IDを上回った(2024年2月末の目標は20万ID)。
※2 月額利用料金×顧客数で算出。
(2) AIセキュリティ事業
売上高は前年同期比13.6%増の701百万円、セグメント損失は8百万円(前年同期は40百万円の損失)と増収及び損失幅が改善した。警備需要が回復に向かうなか、新規営業体制と採用活動の強化が奏功し、警備サービスが好調に推移した。一方、警備DXサービスについても、コロナ禍の沈静に伴って大型イベントなどが再開し、主力の「AIK order」(警備マッチングサービス)への案件掲載が増加したほか、活用可能エリアの拡大(47都道府県)により全国展開企業の利用や問い合わせも増加傾向にあり、今後に向けて弾みをつけることができた。利益面では、警備DXサービスへの先行投資やのれん償却が利益を圧迫するも、増収効果やコスト削減により大幅な損益改善を実現し、第2四半期だけで見ると黒字化を達成した。
(3) DX推進事業
売上高は前年同期比647.2%増1,065百万円、セグメント損失は6百万円(前年同期は61百万円の損失)と大きく拡大し損失幅も改善した。大幅な増収となったのは、前期に実施したM&A(メタウン)が期初から寄与したことや、2023年7月に連結化したプレイネクストラボによる上乗せ分(1ヵ月分)が主因である。また、デジタルガバメント領域では複数自治体での大型案件支援が決定したほか、デジタル田園都市国家構想推進交付金※1の採択等により「スーパーアプリ」※2の導入を決定する自治体も増えてきたようだ。さらに事業会社DX支援についても、企業のDX人材の不足を補う形で順調に伸びてきたほか、スマートシティ事業については、不動産管理業務のデジタル化推進により、安定的な収益を生み出している。利益面では、デジタルガバメント領域への先行投資やのれん償却費が利益を圧迫するも、増収効果やコスト削減により大幅な損益改善を実現し、第2四半期だけで見ると黒字化を達成した。
※1 デジタルの活用などによる観光や農林水産業の振興等の地方創生に資する取り組みや拠点施設の整備などを支援するほか、地域の課題解決や魅力向上の実現に向けて、デジタル実装に必要な経費を支援するもの。
※2 住民サービスのデジタル化を推進する住民総合ポータルアプリのことで、JAPANDXが自治体向けに推進している。
3. 2024年2月期上期の総括
2024年2月期上期を総括すると、積極的な先行投資により営業損失を計上したものの、そもそも下期偏重の利益計画(上期は費用が先行)となる傾向があることや、重視するEBITDAは大きく増加していること、各セグメントではM&A先のPMIを含め、着実に収益の底上げができているところは評価すべきポイントと言える。また、活動面でも、今後に向けた事業推進の成果が出始めており、各事業の目指している方向性が具体的な形として見えてきた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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