東京大学が開発したランダムウォーク法を活用 インピーダンス解析ソフトウェア「Z-RW-Analysis」を開発、販売開始

配信元:PR TIMES
投稿:2023/10/05 14:17
~全固体電池をはじめとする二次電池の研究開発に貢献~

株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、国立大学法人東京大学(以下 東京大学)が開発したランダムウォーク法を用いたインピーダンス解析ソフトウェア「Z-RW-Analysis(ゼット・アールダブリュー・アナリシス)」を開発し、2023年10月5日より販売を開始いたします。 本ソフトウェアは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により東京大学が開発した成果を、東陽テクニカが活用し開発したものです。初期値設定や解析者に依存しない解析手法により二次電池における研究の効率化を図ると共に、従来手法ではフィッティングが困難であった等価回路フィッティングにおいて高確度な解析結果を提供し、二次電池の研究開発に貢献いたします。



(インピーダンス解析ソフトウェア「Z-RW-Analysis」gamenイメージ)
背景/概要


近年、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素(カーボンニュートラル)への取り組みが世界で進んでいます。その実現に大きく貢献すると期待される次世代電池の一つに全固体電池があります。全固体電池はその高いエネルギー密度や安全性・短い充電時間など、さまざまな面で優位性を持つ二次電池であり、国内外で高性能化に向けた研究開発が盛んに行われています。全固体電池の高性能化のためには、固体電解質内の各成分を定量的に評価する必要があります。しかし、研究開発の現場において、固体電解質のインピーダンスデータを正確に等価回路フィッティングすることが難しく、結果として測定データの解釈も限定的になっていたことが課題でした。
本ソフトウェアは、ランダムウォーク法にて極小値(局所解)を導出後もより最適な極小値を模索し、最適な極小値(最適解)を導出することで、電気化学インピーダンス分光法(EIS)データに対して確度の高い等価回路フィッティング解析を実現します。
ランダムウォーク法とはベイズ統計の近似推論手法群であるマルコフ連鎖モンテカルロ法に属する乱数探索を利用したアルゴリズムです。従来の等価回路フィッティングで用いられる勾配法では、多数の極小値が存在する場合にはフィッティング初期値に依存するため、EISデータの特性によってはフィッティング解析の難易度が高い解析手法でした。本ソフトウェアでは、多数の極小値を持つ場合においても、ランダムウォーク法により最適な極小値を探索し、初期値に依存せず最適解を求めることができます。
東陽テクニカは、全固体電池をはじめとする二次電池の研究開発向けに積極的に自社製品を開発し、高周波インピーダンスシステムなど最先端の計測ソリューションを提供しています。このたび自社開発した本ソフトウェアの提供およびサポートを通して、二次電池の研究開発のさらなる発展を支援し、カーボンニュートラル実現を目指します。
「Z-RW-Analysis」主な特長


・全固体電池および固体電解質に最適な等価回路モデルの選択
・等価回路フィッティング解析で用いる初期値の自動算出機能
・複数の設定パターンの同時計算処理機能
・(原理的には)初期値に依存しない高い等価回路フィッティング確度
・探索結果の確認機能
・解析結果の等価回路モデルデータをZView(※)形式で出力
※ZView:インピーダンス測定の等価回路解析を行うためのソフトウェア
◆製品サイト:https://www.toyo.co.jp/material/products/detail/Z-RW.html

<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは、1953年の設立以来、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新に貢献してまいりました。その事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンス、セキュリティなど多岐にわたります。5G通信の普及、クリーンエネルギーや自動運転車の開発などトレンド分野への最新の技術提供に加え、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力し、国内外で事業を拡大しています。最新ソリューションの提供を通して、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/
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