株価指数先物【寄り前コメント】 米利上げ停止が視野に入るなか、ショートカバーが強まりやすい需給状況に

配信元:株探
投稿:2023/03/30 08:19

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27810 +220 (+0.79%)
TOPIX先物 1983.5 +13.0 (+0.65%)
シカゴ日経平均先物 27805 +215
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 29日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。金融当局が銀行の支援策を拡充する方針を示すなかで、金融システム不安が和らぎ金融株が買われた。また、28日夕に決算を発表したマイクロン・テクノロジーが反発したほか、米長期金利の上昇一服がエヌビディアやインテルなどハイテク株買いを後押しした。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、商業サービス・用品が上昇した一方で、ヘルスケア機器・サービスのみが下落した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比215円高の2万7805円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万7600円で始まり、直後に付けた2万7590円を安値にロング優勢となるなか、2万7640円~2万7750円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にはレンジを切り上げ、2万7830円まで買われた。買い一巡後は2万7780円~2万7830円のレンジで推移し、2万7810円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。前日の日中取引は300円高で上値抵抗線として意識されていた25日移動平均線を明確に上放れ、ナイトセッションで一段高となった。配当再投資に伴う特殊要因に加え、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]の大幅高によるインパクトがあったが、ナイトセッションでさらに上げ幅を広げるなか、ショートカバーは強まりやすいだろう。オプション権利行使価格の2万7500円~2万8000円のレンジを想定する。

 日経225先物はボリンジャーバンドの+1σまで上昇し、いったんは達成感が意識される可能性もあるが、+1σが位置する2万7830円辺りを明確に上放れてくると、+2σが位置する2万8275円水準にターゲットが切り上がる。米国でハイテク株が買い直されたこともあり、足もとでの銀行売り・ハイテク買いに対するリバランスは一巡した格好だろう。配当再投資に伴う特殊要因によりTOPIX型優位の需給ではあるが、ハイテク株買いが波及することにより、NT倍率が低下する局面では、その後の反転を想定したNTロングでのスプレッド狙いに向かいそうだ。

 VIX指数は19.12に低下し、金融システム不安が高まった3月9日からの急伸分をほぼ埋めてきた。リスク選好に傾きやすく、買い一巡後のこう着場面でもショートは仕掛けづらくなろう。

 また、市場の関心は、31日に公表を控える個人消費支出(PCEコア)価格指数に移ることになりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利上げを決定するとみられている。もっとも、2023年末の金利見通しに到達することになるため、利上げ停止が視野に入ってくる。これにより、ハイテク株の買い戻しが一段と強まる可能性は意識しておきたい。





株探ニュース
配信元: 株探

関連銘柄

銘柄名称 株価 前日比
7,665.0
(10:53)
-90.0
(-1.16%)