株価指数先物 【週間展望】 ―FRBはインフレ抑制策を緩めず、ヘッジ考慮したNTロングでのスプレッド狙ったトレード
「FRBはインフレ抑制策を緩めず、ヘッジ考慮したNTロングでのスプレッド狙ったトレード」
今週の日経225先物は、金融システム不安が高まるなか、21~22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される利上げ幅などを巡る思惑が相場の変動要因となりそうだ。17日の日経225先物は、ファースト・リパブリック・バンク
足もとの金融システム不安を踏まえて、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)がいったん利上げを停止するとの思惑が高まる場面も見られた。ただし、先週の欧州中央銀行(ECB)理事会が予想通り0.5%の利上げを決めたことで、FRBはインフレ抑制策を緩めないといった見方も交錯している。また、サマーズ元米財務長官が、金融システム不安への過度な懸念により利上げペースを緩めるべきではないと指摘したとも報じられており、前回同様、0.25%の追加利上げがコンセンサスになるだろう。0.5%の利上げとなれば、さらなる銀行救済や信用基準の厳格化が進むリスクが高まり、リセッション(景気後退)懸念につながることも考えられる。
また、経営破綻したシリコンバレーバンクの持ち株会社だったSVBファイナンシャル・グループ
そのため、オプション権利行使価格の2万7000円を中心に、権利行使価格の2万6375円と2万7375円によるレンジを想定。ヘッジを考慮したNTロングでのスプレッドを狙ったトレードになりそうだ。先週のNT倍率は先物中心限月で14日には一時14.09倍まで上昇し、2月6日の戻り高値14.03倍を上回り、昨年12月20日以来の水準まで上昇。その後はリバランスにより低下する場面も見られたが、75日線を支持線とした13.90~14.00倍辺りで推移した。75日線を支持線に、14.12倍辺りに位置する200日線を意識したトレンド形成が見込まれそうだ。
VIX指数は13日に一時30.81まで上昇し、その後は200日線での攻防を見せており、22.5~30.0辺りで荒い値動きを見せている。強弱感が対立している状況であるが、週足ベースでは26週、52週線を上回ってきた。昨年11月以降のボトムレンジから上放れてきたため、両移動平均線を下回ってくるまではリスク選好には向かいづらい。また、ヘッジファンドは世界の銀行株のロングポジションを解消し、ショートに傾けているとみられている。銀行株のショートカバーを交えた本格的なリバウンドが入るまでは、ヘッジを考慮したポジションになるだろう。
3月第2週(3月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で買い越しており、買い越し額は286億円(3月第1週は6992億円の買い越し)だった。なお、現物は1兆1275億円の売り越し(同994億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は1兆1562億円の買い越し(同7986億円の買い越し)と8週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で773億円の売り越しで、2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2077億円の売り越しとなり、9週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは20日に日銀金融政策決定会合の主な意見(3月9日~10日分)、21日に米国2月中古住宅販売件数、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言、22日にFOMC結果、パウエルFRB議長会見、23日にイングランド銀行(BOE)政策金利、米国10-12月期経常収支、米国2月新築住宅販売件数、24日に2月全国消費者物価指数、米国2月耐久財受注、米国3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国3月サービス部門PMIなどが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02
05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12
06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38
07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16
08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05
09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76
10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58
11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52
12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27
01月限 日経225 26325.21 TOPIX 1900.71
02月限 日経225 27779.75 TOPIX 1986.19
03月限 日経225 28377.34 TOPIX 2047.32
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/03 03月17日 26670 27100 26430 27030 +290
22/03 03月16日 27060 27090 26190 26740 -310
22/03 03月15日 26910 27250 26840 27050 +150
22/03 03月14日 27590 27650 26840 26900 -750
22/03 03月13日 27880 28020 27370 27650 -210
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/03 03月17日 1907.5 1937.5 1886.0 1936.5 +25.5
22/03 03月16日 1941.0 1943.5 1874.5 1911.0 -30.0
22/03 03月15日 1918.5 1949.0 1912.5 1941.0 +23.0
22/03 03月14日 1976.0 1979.0 1910.5 1918.0 -61.0
22/03 03月13日 2007.5 2014.5 1962.5 1979.0 -26.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
03月17日(6月限) 26710 -320
03月16日(6月限) 27015 +275
03月15日(6月限) 26490 -560
03月14日(6月限) 27210 +310
03月13日(6月限) 27160 -490
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
03月10日 2307億円 -258億円 1兆4586億円 +6803億円
03月03日 2566億円 +200億円 7783億円 +2698億円
02月24日 2365億円 +2023億円 5084億円 +1482億円
02月17日 342億円 -230億円 3602億円 -0.09億円
02月10日 572億円 -1769億円 3602億円 -381億円
02月03日 2342億円 -1159億円 3983億円 -513億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
03月15日 5810万株 +319万株 5億1049万株 -662万株
03月14日 5491万株 +36万株 5億1711万株 -2610万株
03月13日 5455万株 +8万株 5億4322万株 -364万株
03月10日 5446万株 -2792万株 5億4686万株 -3782万株
03月09日 8239万株 +1844万株 5億8469万株 +6574万株
03月08日 6394万株 -151万株 5億1894万株 +1億2533万株
03月07日 6545万株 +810万株 3億9361万株 +5153万株
03月06日 5735万株 -545万株 3億4207万株 +5450万株
03月03日 6281万株 +887万株 2億8757万株 +7723万株
03月02日 5394万株 -31万株 2億1034万株 +1974万株
03月01日 5425万株 -105万株 1億9059万株 +691万株
02月28日 5530万株 -309万株 1億8367万株 +210万株
02月27日 5840万株 -5万株 1億8157万株 +230万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
12月2日 701億円
【2023年】
3月13日 701億円
3月14日 701億円
株探ニュース
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