先週は、前々週の下げを大きく取り戻す27000円台を回復
先週の予測としては、前週末のNYダウの大幅反発後の様子をみるところとしました。日米ともに10月相場で急反発となっており、NYダウは9月30日の安値28715ドルから10月5日の30454ドルと4日間で1739ドル(6.0%)の反発。これにつれて日経平均も10月3日の安値25621円から6日の高値27399円まで4日間で1777円(6.9%)の反発でした。
これはテクニカル的な要因が大きく、これを受けて先週は9月雇用統計が好調だったことで、FRBの金融引締めが強まり、再び下げ圧力が出てくることになるとしました。13日の米9月消費者物価指数も控え様子見が強まってくることになるとしました。結果的には、テクニカル的な大きな上下動が続くことになりました。
日経平均は、6日の27399円を高値に先週は13日(木)に26237円まで下げ、週末の14日(金)は、NYダウが好調な消費者物価指数を受け、一時▲549ドルの28660円まで下げるものの、ショートポジション(カラ売)の利益確定をきっかけに急反発となって、△827ドルの30038ドルと一気に3万ドル台を回復しました。これを受けて先週末の日経平均は△361円で寄り付くと、そのまま大幅上昇となり、円安基調、時間外での米株先物高、アジア株高にサポートされました。基本的にはショートカバー(買い戻し)が主体で、13日の米国の9月消費者物価指数が警戒されていましたが、NYダウの動きをみる限り、急落、急騰となり、目先的なアク抜け感が出た形となりました。日経平均もNYダウの動きに連動しており、さらに上値を追っていくには支援材料が必要となります。
日経平均の日足は、10月3日の安値25621円から6日の高値27399円まで一本調子の上昇となっており、13日(木)に26237円まで下落して、14日(金)は、27180円まで上昇し、終値は△853円の27090円で引けています。テクニカル的には、6日の高値27399円を終値でぬくと上放れの形となりますが、今の相場環境では難しいかもしれません。
週末の14日(金)の米国市場は、この日ミシガン大学が発表した10月の期待インフレ率が、1年先、5年先とも9月の確定値から上昇したことで、FRBによる大幅利上げ継続に伴う景気悪化後退が重しとなり、NYダウは▲403ドルの29634ドル、ナスダックは▲327Pの10321Pと大幅反落となりました。長期金利が上昇し、ドルが買われて円は一時148.88円と32年ぶりの円安進行となりました。シカゴ日経先物は▲425円の26625円でした。
今週は、26200~27000円のレンジでのもみあいか
先週は、先週末の日経平均が27000円台を回復したことで、市場では27000円台の値固めから上への見方も出ていましたが、結局、現状の大幅な上下動はテクニカル的な要因が大きいとしていましたように、その流れが続いています。
結局、先週末の14日(金)の引け後の米国市場では、FRBの今後の積極的な利上げ見通しが強いとの見方から長期金利が上昇し、ドルが買われて1ドル=148.88円まで上昇し、32年ぶりの円安となりました。
これを受けてシカゴの日経先物が▲425円の26625円となっていますので、当面は27000円水準は上値のフシとなりそうです。目先は米企業の決算発表シーズンが到来しているため、注目企業の決算が材料となりそうです。
日本でも10月下旬から本格化する7~9月期決算を見据えて業績相場の色合いが強くなる可能性があります。32年ぶりの円安進行となっていますので、円安で恩恵を受けるものを中心に上方修正期待の銘柄に資金が向かいやすくなります。
現状のチャートは、テクニカル的に大きな上下動を繰り返していますが、年初からのチャートは、日米ともに右肩下がりのトレンドを継続しています。
上昇に転じるのは、米国のインフレの兆候が収まるのを待つことになります。今のところ日経平均のポイントは、下値は10月3日の安値25621円、上値は10月6日の高値27399円であり、25621円を切ると下へ、27399円を上にぬけると上昇へとなります。
(指標)日経平均
先週の動き
9月30日の25805円を安値に10月6日に27399円の高値をつけ、先週は、ここからいったん調整入りとなりました。
3連休明けの10月11日(火)は、連休中の米株安を受け▲714円の26401円となり、13日(木)まで4日続落の26237円で引けました。しかし、引け後の米国市場で9月消費者物価指数が発表され、予想を上回ったことで▲549ドルと急落しましたが、その後、買い戻しをきっかけに大幅反発となり△827ドルの30038ドルとなりました。
これを受けて14日(金)の日経平均は、△853円の27090円と大幅反発して引けました。
しかし、週末の米国市場では、NYダウは▲403ドルと反落し、シカゴの日経先物は▲425円の26625円となっています。
今週の見通し
先週末の△853円の27090円と27000円台回復を受け、27000円台の値固めの見方もありましたが、週末のNY市場が大幅反落し、シカゴの日経先物が▲425円の26625円となったことで、目先は27000円水準が上値のフシとなります。そうなると26200~27000円のレンジでのもみあいとなりそうです。円安進行に伴い業績相場の見方では上方修正期待銘柄が買われることになります。
(指標)NYダウ
先週の動き
前々週末の10月7日(金)の9月雇用統計の結果を受け、FRBの積極的利上げ必要との見方から、NYダウは▲630ドルの29296ドルまで下げました。先週は週半ばまでは下値を探る動きとなりました。13日(木)には9月消費者物価指数が予想を上回る結果を受けて、いったん▲549ドルの28660ドルまで急落しましたが、その後、ショートカバー(買い戻し)の利益確定をきっかけに△827ドルの30038ドルと大幅反発しました。しかし、週末の14日(金)は、長期金利の上昇を受けて▲403ドルの29634ドルと反落して引けました。
今週の見通し
ドル高、高インフレと同時に景気後退リスクの上昇で消費の鈍化が懸念される中、主要企業の四半期決算発表が始まります。そのため企業の業績見通しが注目となります。また、金利動向やFRBの利上げを巡る思惑が相場を左右する状況が続くことになります。これまで想定された以上に大幅な利上げが織り込まれつつあり、金利高を警戒した売りが相場の上値を抑えそうです。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週は、徐々に円安方向の動きとなり、週末は一気に148円台の円安で引けました。
週始めは144円台後半の動きからスタートし、11日(火)には、13日発表の米9月消費者物価指数への警戒感から金利が上昇し、この日は1ドル=146円台と1998年以来24年ぶりの円安となりました。13日(木)には米9月消費者物価指数が予想を上回る結果を受けて、1ドル=147円台となり、さらに週末の14日(金)は、ミシガン大学の1年先期待インフレ率の伸びを受け、10年債利回りが一時4.08%まで上昇し、ドルは148.88円まで買われました。円は急落となって32年ぶりの円安更新となりました。
今週の動き
FRBによる金融引締め加速への期待感から、ドル高・円安基調が引き続き見込まれる。金利先高感を背景にドル買いに振れやすい。一方で急速な円安を懸念して日本政府による円買い介入が再び実施される可能性があるため、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性があり、ドルは上げ渋りとなることも想定されます。
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