明日の株式相場に向けて=決算プレー全開「ストップ高銘柄」の嵐に
週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比73円高の2万8249円と続伸。前週末の米国株市場は高安まちまちの展開でやや方向感がつかみにくくなっているが、それでも東京市場は目先筋の利食いをこなし下値抵抗力を発揮した。これまでのボックス圏往来から2万8000円台固めの動きにステージを変えている。もっとも騰落レシオ(25日移動平均)は、前週末時点でプライム市場、日経225採用銘柄ともに120%を上回る水準にあり、過熱領域に足を踏み入れている。ここで焦って主力株の上値に買いつく必要はなく、企業の決算発表に絡む短期のギャップアップ、ギャップダウントレード、いわゆる決算プレーが終了してから、おもむろに動き出すくらいの余裕をもって眺めていれば問題はない。チャンスはいくらでもある。
7月の米雇用統計は非常に強い内容で、非農業部門の雇用者数の増加が市場予想を大幅に上回る50万人超の増加となった。米経済の懐の深さが確認されたわけが、これを米株市場がどう捉えるかは、その時の地合いによる。この時期、好調な経済指標はFRBによる金融引き締め強化を想起させ、表裏一体でネガティブな要素を併せ持っている。したがってフタを開けてみないことには相場の方向性を確認することができない。事実、米株市場では朝方は米長期金利の上昇を誘発しNYダウも売りが先行していた。後半はバランスを立て直して上昇に転じたが、これは株式需給面でアンワインド局面が続いていることの証だ。
今週は10日に7月の米CPIの発表が予定されており、これが差し当たって鬼門となる。市場では「6月のCPIについては前年同月比の伸び率が9%を超え、40年ぶりの記録となった。それだけに、今回の数値は(7月は原油価格などが急落するなか、6月と比較して)若干マシだろう」(国内証券ストラテジスト)という見方が優勢のようだ。ただ、これも相場の反応も含め、当日にフタを開けてみないことには何ともいえない。
東京市場では相変わらず、好決算銘柄に対する買い意欲が旺盛である。きょうのハイライトはレーザーテック<6920.T>と三井松島ホールディングス<1518.T>の2銘柄だ。レーザーテックは群を抜く2000億円超の売買代金をこなし大幅高。同社は6月決算銘柄だが、22年6月期は営業利益段階で前の期比25%増を達成し、従来計画から大幅に上振れした。もっとも株価を強く刺激したのは23年6月期の予想数値の方で、前期の発射台が高くなったにもかかわらず、営業3割増益と前期以上の伸びを見込んでいることがサプライズとなった。スマートフォンやパソコンなどの販売急減速による半導体市況の様変わりが空売りを呼び込んでいたこともあり、ショートカバーによる踏み上げ相場の色が強まった。
他方、三井松島HDの方は、大量の買い注文に売りとの折り合いがつかず大幅高で寄った後はすぐにストップ高カイ気配に。そのまま大引けまで値幅制限上限で張りついた。石炭市況の高騰を背景に収益が押し上げられ、営業利益は143億円(過去最高益)から232億円へ目を見張る大幅増額修正を行い、株主還元についても特筆に値する配当の上乗せで投資家の視線を釘付けにした。同社だけでなく住石ホールディングス<1514.T>などの値動きも含め、「脱炭素」で一時は逆風が強く意識された石炭関連株の株価変貌ぶりは凄まじいものがある。需給の真髄というべきか、きょうは三井松島HDを含めストップ高銘柄の嵐となった。このうち、当欄で最近紹介したものではアップルインターナショナル<2788.T>、フィールズ<2767.T>、HOUSEI<5035.T>などが挙げられる。
きょうの「S高ラッシュ」はそのほとんどが決算発表絡みで「1日劇場」のケースが多いが、好決算銘柄は調整を挟んで波状的な買いも入りやすい。鉄火場に踏み込まず、あえてひと呼吸おいて物色対象を探していくのも有力な作戦だ。その候補として、さくらインターネット<3778.T>、ペガサスミシン製造<6262.T>、ダイハツディーゼル<6023.T>、ベクトル<6058.T>、バイク王&カンパニー<3377.T>などに注目しておきたい。
あすのスケジュールでは、7月のマネーストック、7月の工作機械受注額が開示される。また、30年物国債の入札も予定されている。海外ではフィリピンの4~6月期GDPのほか、米国では4~6月期労働生産性指数(速報値)が発表される。国内の主要企業の決算発表では石油資源開発<1662.T>、明治ホールディングス<2269.T>、東レ<3402.T>、IHI<7013.T>、オリンパス<7733.T>などがある。(銀)
出所:MINKABU PRESS
7月の米雇用統計は非常に強い内容で、非農業部門の雇用者数の増加が市場予想を大幅に上回る50万人超の増加となった。米経済の懐の深さが確認されたわけが、これを米株市場がどう捉えるかは、その時の地合いによる。この時期、好調な経済指標はFRBによる金融引き締め強化を想起させ、表裏一体でネガティブな要素を併せ持っている。したがってフタを開けてみないことには相場の方向性を確認することができない。事実、米株市場では朝方は米長期金利の上昇を誘発しNYダウも売りが先行していた。後半はバランスを立て直して上昇に転じたが、これは株式需給面でアンワインド局面が続いていることの証だ。
今週は10日に7月の米CPIの発表が予定されており、これが差し当たって鬼門となる。市場では「6月のCPIについては前年同月比の伸び率が9%を超え、40年ぶりの記録となった。それだけに、今回の数値は(7月は原油価格などが急落するなか、6月と比較して)若干マシだろう」(国内証券ストラテジスト)という見方が優勢のようだ。ただ、これも相場の反応も含め、当日にフタを開けてみないことには何ともいえない。
東京市場では相変わらず、好決算銘柄に対する買い意欲が旺盛である。きょうのハイライトはレーザーテック<6920.T>と三井松島ホールディングス<1518.T>の2銘柄だ。レーザーテックは群を抜く2000億円超の売買代金をこなし大幅高。同社は6月決算銘柄だが、22年6月期は営業利益段階で前の期比25%増を達成し、従来計画から大幅に上振れした。もっとも株価を強く刺激したのは23年6月期の予想数値の方で、前期の発射台が高くなったにもかかわらず、営業3割増益と前期以上の伸びを見込んでいることがサプライズとなった。スマートフォンやパソコンなどの販売急減速による半導体市況の様変わりが空売りを呼び込んでいたこともあり、ショートカバーによる踏み上げ相場の色が強まった。
他方、三井松島HDの方は、大量の買い注文に売りとの折り合いがつかず大幅高で寄った後はすぐにストップ高カイ気配に。そのまま大引けまで値幅制限上限で張りついた。石炭市況の高騰を背景に収益が押し上げられ、営業利益は143億円(過去最高益)から232億円へ目を見張る大幅増額修正を行い、株主還元についても特筆に値する配当の上乗せで投資家の視線を釘付けにした。同社だけでなく住石ホールディングス<1514.T>などの値動きも含め、「脱炭素」で一時は逆風が強く意識された石炭関連株の株価変貌ぶりは凄まじいものがある。需給の真髄というべきか、きょうは三井松島HDを含めストップ高銘柄の嵐となった。このうち、当欄で最近紹介したものではアップルインターナショナル<2788.T>、フィールズ<2767.T>、HOUSEI<5035.T>などが挙げられる。
きょうの「S高ラッシュ」はそのほとんどが決算発表絡みで「1日劇場」のケースが多いが、好決算銘柄は調整を挟んで波状的な買いも入りやすい。鉄火場に踏み込まず、あえてひと呼吸おいて物色対象を探していくのも有力な作戦だ。その候補として、さくらインターネット<3778.T>、ペガサスミシン製造<6262.T>、ダイハツディーゼル<6023.T>、ベクトル<6058.T>、バイク王&カンパニー<3377.T>などに注目しておきたい。
あすのスケジュールでは、7月のマネーストック、7月の工作機械受注額が開示される。また、30年物国債の入札も予定されている。海外ではフィリピンの4~6月期GDPのほか、米国では4~6月期労働生産性指数(速報値)が発表される。国内の主要企業の決算発表では石油資源開発<1662.T>、明治ホールディングス<2269.T>、東レ<3402.T>、IHI<7013.T>、オリンパス<7733.T>などがある。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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