【IRアナリストレポート】コシダカホールディングス(2157)

著者:鈴木 行生
投稿:2022/07/28 17:22

~コロナ禍を乗り切り、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~

【ポイント】
・2022年8月期の1Q(9~11月)は赤字であったが、2Q、3Qは順調に黒字を確保している。オミクロンBA.5の影響はあるものの、店舗の通常営業は継続できそうなので、4Qの業績も大きく好転しよう。2年を経て、コロナ禍を脱却しよう。カラオケの需要は根強い上、まねきねこのサービスの良さがリピートに結びついている。

・3月にアドバンテージ パートナーズ(AA)と資本業務提携した。次の成長戦略の加速化に向けて、カラオケルームでの楽しみ方に、新しいデジタル技術を持込み、新商品や新サービスを開発していく。そのための人財の確保や資本の提供で連携する。既にプロジェクトチームが動き出している。来期には新たな展開が始まろう。

・昨年3月に大庄のカラオケ事業を譲り受け、41店を手に入れた。首都圏・繁華街への出店強化に合致した。新規出店はしっかり進めている。海外事業もコロナの影響で苦戦を強いられたが、5月頃からようやく好転してきた。

・前期は、営業赤字76億円、純損失41億円であった。カラオケ店の休業や時短営業に関わる支援金は営業外収益に入る。前期は38億円が計上され、今期は29億円が入ってくる。よって、コロナの実質的影響は純損益でみた方がよい。来期は、国(経産省)の「成長発展事業適応計画」の認定を受けたので、繰越欠損金の100%控除が受けられる。これによって税負担が軽くなるので、純利益は順調に回復しよう。

・ポストコロナに向けて、腰髙社長は2つの手を打っている。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させようとしており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、慎重ながらも果敢な出店をM&Aを含めて展開している。2020年10月に開設した渋谷本店や同年12月にオープンした「アクエル前橋」が注目される。

・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。コロナ禍を克服して、収益性は急ピッチで戻ってこよう。AAとの連携による新商品・新サービスに注目したい。

目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
4.業務連携 アドバンテージ アドバイザーズと提携し、成長を加速
5.当面の業績 コロナショックを乗り切り、本格回復の局面へ
6.企業評価 新たなエンタメの世界へ

コシダカホールディングス <2157>
企業レーティング
株価
(2022年7月28日)
725円
時価総額 597億円
(82.3百万株)
PBR 3.21倍
ROE 17.4%
PER 18.3倍
配当利回り 1.1%
総資産 47961百万円
純資産 18430百万円
自己資本比率 38.4%
BPS 226.0円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2016.8 51170 4810 4699 1900 26.2 8.0
2017.8 55283 6146 6354 3255 43.6 9.0
2018.8 61771 7858 8207 4426 54.4 10.0
2019.8 65840 9507 9562 6226 76.6 12.0
2020.8 43303 1147 1699 -231 -2.8 12.0
2021.8 20791 -7628 -3092 -4144 -50.8 4.0
2022.8(予) 39000 2500 5400 3200 39.6 8.0
2023.8(予) 45000 4500 4500 4000 49.1 10.0
2024.8(予) 50000 6000 6000 4500 55.2 12.0

(2022.5ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202207.pdf
 
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配信元: みんかぶ株式コラム

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