■事業概要
リソルホールディングス<5261>の事業は一見ばらばらのようだが、運営と投資再生を軸に事業間でシナジーを醸成している。コロナ禍でここ2年これまでと違った様相になっているが、例年、ホテル運営事業とゴルフ運営事業の売上・利益構成比が大きく、この2事業の収益がリソルの森(CCRC)事業や福利厚生事業、再生エネルギー事業といった次の成長を支える事業を安定的に支える一方、顧客1人1人に対してアプローチすることでより大きな付加価値を創造する仕組みになっている。こうした事業ポートフォリオをベースにしたシナジーモデルが同社の大きな特徴であり、強みとなっている。また、再生エネルギー事業や投資再生事業のように環境や資源の有効利用といった観点からストレートに社会貢献している事業も多く、そうした社会貢献をトータルで体現しているのがリソルの森事業(CCRC)事業ということになる。
1度は泊まりたい憧れの「Sport & Do Resort リソルの森」
1. リソルの森事業(CCRC)事業
2020年4月にフルリニューアルした体験型リゾート「Sport & Do Resortリソルの森」は、都心から50km圏内という絶好のロケーションに位置し、緑豊かで広大な敷地に、宿泊施設やゴルフ場、多彩なスポーツ・レジャー・レクリエーション施設、レストランやクリニックを併せ持つ多世代交流型リゾートコミュニティである。同社はそこで、スポーツ・ウェルネス・自然を通して生きがいや絆、健康、くつろぎを提供する、多世代交流型ウェルネス事業を展開しており、「CCRC※」構想も特徴となっている。しかし、建設コストや介護・医療の面で地域や他社との連携が不可欠のため、Withコロナ時代のニューノーマルを見据えつつ、実現までに長い期間を想定する必要があるプロジェクトである。現在は、利用者が1年を通して上質なリゾートライフ・リゾートワークを楽しむことができるようにするため、また、同社にとっても収益化を進めやすくするため、リニューアルや新規施設の導入などバージョンアップを積極的に進めているところである。コロナ禍においては、体験型プログラム等の付加価値を付けた商品企画や、広大な敷地を活かした「疎」と連携するクリニックを活用した抗原検査・PCR検査をパッケージとした企画を実施。
※CCRC(Continuing Care Retirement Community):健康な高齢者が終身暮らすことができる生活共同体のことをいう。同社のCCRCはそうした一般的な概念を超え、同社が提供する「健康寿命の延伸」や「スポーツ・趣味活動・各種イベント」などによって、地域社会と協働しつつ多世代間で交流する場の構築を目指している。
同社は、ホテルトリニティ書斎の高層階にある特別室ができる会員制リゾートクラブ「ゴルフバケーションクラブ リソルの森」を2020年12月に販売開始したが、好調のようだ。リゾートホテルの特別室を、セカンドハウスやゴルフステイ、ワーケーション目的に長期間使用でき、接待用や福利厚生にも利用可能となっている。特別室は眺望に優れた12階の部屋で、眼前には何も遮るものがなく、晴れた日には太平洋や房総半島を一望でき、西向きタイプの部屋からは富士山や筑波山といった山々も眺望することができる。フルリフォーム工事を行った126m2の2LDKの空間は、家具・家電も完備されており、家族や友人と一緒にゆったり過ごすことができる。また、ホテル仕様のため日々のメンテナンスも不要で、いつでも安心・快適に利用することができる。さらに、グランピングエリアの最上級ヴィラタイプにおいてもゴルフバケーションクラブの販売を開始した。森の中に悠然と佇むログハウスには、ゆったりとしたリビングルームとキッチンを備えつけられており、緑に囲まれている広いテラスで、特別な“日常”を過ごすことができる。両タイプとも、30泊のうちGW、夏休み、年末年始のいずれか3連泊を占有利用できる上、施設内にある天然温泉「紅葉乃湯」が無料で利用でき、さらにリソルの森内にある真名カントリークラブの会員権が特別価格になるという特典も付いている。
2021年4月のリニューアルオープンの目玉として新設されたグランピングエリア「グランヴォー スパ ヴィレッジ」は、Withコロナのなかで密が避けられるという環境から大変な人気となっている。プライベートなデッキテラスがついた上質なグランピングが楽しめるテントキャビン、アウトドアリビングやアウトドアダイニングを楽しむテラスハウスなどを備える、家族やグループで「暮らすように泊まることのできる」最上級のヴィラで、森の息吹や満天の星、鳥のさえずり、季節の花など上質な自然を体験することができる。2021年7月には新しいグランピングエリアとして「ラク・レマン」をリゾートプルサイドに新設し、「グランヴォー スパ ヴィレッジ」を拡充した。これに伴い、既存のグランピングエリアを「森-MORI-」とし、「森」と「ラク・レマン」からなるグランピングエリアとしてアウトドア事業の強化を進めている。また、大自然に囲まれ非日常が楽しめる“近場のリゾート”というコンセプトで2020年に開設されたキャンプサイトエリア「RESOL NO MORI CAMP SITE」は、最大150m2の広々したスペースのオートサイトで、各自テントやBBQセットを自由に持ち込め、ピクニックのように気軽にオートキャンプを体験できることから、こちらも大変な人気となっている。
今後もコロナ後の新たな価値観によるアウトドアリゾートの需要を見据え、密を避けた「疎」の環境を活かしたアウトドア事業を積極的に進めていくものとみられる。
同社は、トップアスリートも利用する本格スポーツ施設「メディカルトレーニングセンター」を利用できる会員制スポーツクラブを運営しているが、営業時間拡大に伴い、ライフスタイルにあわせて利用できる制度へと刷新した。従来の約2.5倍に拡張され、プロアスリート仕様にフルリニューアルされたフィットネスルームには、豊富なトレーニング器具が用意され、3階にはランニングトラック、体育館、25mプールを配置している。また、400mトラックなどのアウトドアスポーツ施設やリラクゼーションスペースとして準天然温泉、炭酸泉「ラムネの湯」、サウナを完備した温浴施設「長柄カルナの湯」の利用が可能となっている。入会後、体調チェックやフィジカルチェック、メディカルチェック(オプション)を実施し、会員ごとにカスタマイズしたパーソナルプログラムを作成、ヨガやピラティスから、体幹トレーニング、太極拳、プールを使ったアクアウォーキングなど、ライフスタイルに合わせて多彩なラインナップを楽しむことができる。健康に欠かせない5つの課題「栄養」「運動」「ストレスフリー」「休養」「社会参加」をテーマとした、自由に選択できる豊富な無料プログラムなどで無理せず継続できる環境を提供している。
以上のような、リゾート施設、スポーツ施設のバージョンアップを背景に、Sport & Do Resort リソルの森が「1度は泊まりたい憧れの宿」ランキングの上位として紹介されるなど、知名度も高まりつつある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
リソルホールディングス<5261>の事業は一見ばらばらのようだが、運営と投資再生を軸に事業間でシナジーを醸成している。コロナ禍でここ2年これまでと違った様相になっているが、例年、ホテル運営事業とゴルフ運営事業の売上・利益構成比が大きく、この2事業の収益がリソルの森(CCRC)事業や福利厚生事業、再生エネルギー事業といった次の成長を支える事業を安定的に支える一方、顧客1人1人に対してアプローチすることでより大きな付加価値を創造する仕組みになっている。こうした事業ポートフォリオをベースにしたシナジーモデルが同社の大きな特徴であり、強みとなっている。また、再生エネルギー事業や投資再生事業のように環境や資源の有効利用といった観点からストレートに社会貢献している事業も多く、そうした社会貢献をトータルで体現しているのがリソルの森事業(CCRC)事業ということになる。
1度は泊まりたい憧れの「Sport & Do Resort リソルの森」
1. リソルの森事業(CCRC)事業
2020年4月にフルリニューアルした体験型リゾート「Sport & Do Resortリソルの森」は、都心から50km圏内という絶好のロケーションに位置し、緑豊かで広大な敷地に、宿泊施設やゴルフ場、多彩なスポーツ・レジャー・レクリエーション施設、レストランやクリニックを併せ持つ多世代交流型リゾートコミュニティである。同社はそこで、スポーツ・ウェルネス・自然を通して生きがいや絆、健康、くつろぎを提供する、多世代交流型ウェルネス事業を展開しており、「CCRC※」構想も特徴となっている。しかし、建設コストや介護・医療の面で地域や他社との連携が不可欠のため、Withコロナ時代のニューノーマルを見据えつつ、実現までに長い期間を想定する必要があるプロジェクトである。現在は、利用者が1年を通して上質なリゾートライフ・リゾートワークを楽しむことができるようにするため、また、同社にとっても収益化を進めやすくするため、リニューアルや新規施設の導入などバージョンアップを積極的に進めているところである。コロナ禍においては、体験型プログラム等の付加価値を付けた商品企画や、広大な敷地を活かした「疎」と連携するクリニックを活用した抗原検査・PCR検査をパッケージとした企画を実施。
※CCRC(Continuing Care Retirement Community):健康な高齢者が終身暮らすことができる生活共同体のことをいう。同社のCCRCはそうした一般的な概念を超え、同社が提供する「健康寿命の延伸」や「スポーツ・趣味活動・各種イベント」などによって、地域社会と協働しつつ多世代間で交流する場の構築を目指している。
同社は、ホテルトリニティ書斎の高層階にある特別室ができる会員制リゾートクラブ「ゴルフバケーションクラブ リソルの森」を2020年12月に販売開始したが、好調のようだ。リゾートホテルの特別室を、セカンドハウスやゴルフステイ、ワーケーション目的に長期間使用でき、接待用や福利厚生にも利用可能となっている。特別室は眺望に優れた12階の部屋で、眼前には何も遮るものがなく、晴れた日には太平洋や房総半島を一望でき、西向きタイプの部屋からは富士山や筑波山といった山々も眺望することができる。フルリフォーム工事を行った126m2の2LDKの空間は、家具・家電も完備されており、家族や友人と一緒にゆったり過ごすことができる。また、ホテル仕様のため日々のメンテナンスも不要で、いつでも安心・快適に利用することができる。さらに、グランピングエリアの最上級ヴィラタイプにおいてもゴルフバケーションクラブの販売を開始した。森の中に悠然と佇むログハウスには、ゆったりとしたリビングルームとキッチンを備えつけられており、緑に囲まれている広いテラスで、特別な“日常”を過ごすことができる。両タイプとも、30泊のうちGW、夏休み、年末年始のいずれか3連泊を占有利用できる上、施設内にある天然温泉「紅葉乃湯」が無料で利用でき、さらにリソルの森内にある真名カントリークラブの会員権が特別価格になるという特典も付いている。
2021年4月のリニューアルオープンの目玉として新設されたグランピングエリア「グランヴォー スパ ヴィレッジ」は、Withコロナのなかで密が避けられるという環境から大変な人気となっている。プライベートなデッキテラスがついた上質なグランピングが楽しめるテントキャビン、アウトドアリビングやアウトドアダイニングを楽しむテラスハウスなどを備える、家族やグループで「暮らすように泊まることのできる」最上級のヴィラで、森の息吹や満天の星、鳥のさえずり、季節の花など上質な自然を体験することができる。2021年7月には新しいグランピングエリアとして「ラク・レマン」をリゾートプルサイドに新設し、「グランヴォー スパ ヴィレッジ」を拡充した。これに伴い、既存のグランピングエリアを「森-MORI-」とし、「森」と「ラク・レマン」からなるグランピングエリアとしてアウトドア事業の強化を進めている。また、大自然に囲まれ非日常が楽しめる“近場のリゾート”というコンセプトで2020年に開設されたキャンプサイトエリア「RESOL NO MORI CAMP SITE」は、最大150m2の広々したスペースのオートサイトで、各自テントやBBQセットを自由に持ち込め、ピクニックのように気軽にオートキャンプを体験できることから、こちらも大変な人気となっている。
今後もコロナ後の新たな価値観によるアウトドアリゾートの需要を見据え、密を避けた「疎」の環境を活かしたアウトドア事業を積極的に進めていくものとみられる。
同社は、トップアスリートも利用する本格スポーツ施設「メディカルトレーニングセンター」を利用できる会員制スポーツクラブを運営しているが、営業時間拡大に伴い、ライフスタイルにあわせて利用できる制度へと刷新した。従来の約2.5倍に拡張され、プロアスリート仕様にフルリニューアルされたフィットネスルームには、豊富なトレーニング器具が用意され、3階にはランニングトラック、体育館、25mプールを配置している。また、400mトラックなどのアウトドアスポーツ施設やリラクゼーションスペースとして準天然温泉、炭酸泉「ラムネの湯」、サウナを完備した温浴施設「長柄カルナの湯」の利用が可能となっている。入会後、体調チェックやフィジカルチェック、メディカルチェック(オプション)を実施し、会員ごとにカスタマイズしたパーソナルプログラムを作成、ヨガやピラティスから、体幹トレーニング、太極拳、プールを使ったアクアウォーキングなど、ライフスタイルに合わせて多彩なラインナップを楽しむことができる。健康に欠かせない5つの課題「栄養」「運動」「ストレスフリー」「休養」「社会参加」をテーマとした、自由に選択できる豊富な無料プログラムなどで無理せず継続できる環境を提供している。
以上のような、リゾート施設、スポーツ施設のバージョンアップを背景に、Sport & Do Resort リソルの森が「1度は泊まりたい憧れの宿」ランキングの上位として紹介されるなど、知名度も高まりつつある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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