朝に113円台半ば割れも、114円台に戻して引ける=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2022/01/15 07:15
朝に113円台半ば割れも、114円台に戻して引ける=NY為替概況

 きょうのNY外国為替市場では、朝方ドル売りの動きが強まった。ドル円は東京市場午前から昼過ぎにかけてドル売りの動きが強まり、114円20銭台から113円60銭台まで。その後ロンドン市場ではいったんドル売りが一服し、114円近くまで回復の場面も、大台を回復しきれずNY市場早朝から売りが出る流れとなった。先週末の米雇用統計がやや弱く出たことで、相関関係の強い米小売売上高の数字が警戒されていたが、結果は予想以上の落ち込みを示し、警戒感からの円買いが広がった。ドル円は東京市場での安値を割り込み、113円台半ば割れまで値を落とす動きに。130円50銭前後で推移していたユーロ円が129円80銭割れまで売り込まれるなど、一時は円買いの動きが広がった。

 しかし、その後は一転してドル買いが主導に。小売売上高後に発表された鉱工業生産やミシガン大学消費者信頼感指数などは弱めの数字も影響は限定的に。それ以上に米早期利上げへの期待感からのドル買いが優勢となった。ウィリアムズ米NY連銀総裁が早期の利上げについての可能性を示したことが、市場の利上げ期待を押し上げた。

 米債利回りの上昇もドル買いに寄与。米早期利上げへの期待感が広がったことで、利上げの影響が大きい2年債だけではなく、ベンチマークとなる10年債利回りなども上昇。NY市場朝方に1.70%台を付けていた米10年債利回りは、10日以来となる1.79%台を付けて引けている。

 朝方ドル円の下げもあって129円80銭割れまで値を落としたユーロ円は、その後じりじりと値を戻し、下げ分をほぼ解消して130円40銭前後まで。ユーロドルはロンドン朝の1.1480台からのユーロ安ドル高基調が優勢に。ドル全面高基調となる中で、一時1.1400を割り込む場面も見られた。戻りは鈍く、1.1410台で週の取引を終えている。

 ポンドドルもユーロドル同様にドル買いに押される展開。ロンドン午前の1.3740台から値を落としNY午後には1.3650台まで。その後少し戻すも1.3680前後で引けている。英中銀に関しては来月の追加利上げ期待などが見られ、下がると買いが出る場面も、ドル全面高基調の勢いが勝った。

MINKABU PRESS 山岡和雅

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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