USENNEX Research Memo(7):急拡大のコンテンツ配信、強みを発揮した店舗サービス(2)

配信元:フィスコ
投稿:2021/11/18 16:07
■業績動向

(4) コンテンツ配信事業
スマートフォンの普及や外資大手の参入が進んでいるところに、コロナ禍による巣ごもり需要の高まりが相乗効果となって現れ、動画配信サービス市場が急拡大している。このような強い追い風のなか、USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は引き続きコンテンツの拡充やユーザーエクスペリエンスの改良、認知度向上、マーケットの開拓を進めた。コンテンツの拡充に関しては、作品カバー数を圧倒的に増やす従来の「カバレッジ戦略」だけでなく、米ワーナー傘下の衛星・ケーブル放送局HBO及び定額制動画配信サービスHBO Maxの人気タイトルを独占見放題配信した。さらに、U-NEXTでしか観られない配信作品を増強していく「ONLY ON」戦略の展開も開始した。ユーザーエクスペリエンスの改良については、メーカー各社が新たに販売するテレビの付属リモコンに「U-NEXTボタン」の搭載を進めている。また、マーケットの開拓に関しては、関西電力<9503>とコラボレーションし、「U-NEXT」と電気の販売を組み合わせた新料金メニュー「withU-NEXTでんき」や「withU-NEXTでんき(ガスset)」を家庭向けに提供を開始するなど、新たなチャネル開発も推進した。この結果、契約者数が前期比18.1%増と引き続いて大きく伸び、売上も大幅に増加した。利益面では、契約者数の伸びがクリティカルポイント(臨界点)を超えたため、営業利益は一気に7倍を超えることとなった。今後も契約者数が増加するにつれ、売上以上に利益が伸びる局面に入ってきたということになる。ただし、第4四半期にコンテンツや販促に費用をかけたように、激化する競争に生き残るための先行投資は欠かせないだろう。

(5) エネルギー事業
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の実施の影響で経済活動が縮小したため、顧客先の店舗や商業施設の電気消費量が十分に回復しない状況となった。特に高圧帯においては、競争激化と競争激化に伴う価格競争力の相対的低下によって、厳しい事業環境となっている。しかし、東京電力とのコラボレーション商品の開発など新たな取り組みなどを背景に減収ながら増益を達成し、四半期ベースでも黒字化が定着してきた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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