先週は、29000~30000円のレンジの中の動きで、安値29040円、高値29750円
先週の予測では、前週に衆議院選で自民党が予想外の「絶対安定多数」の261議席を確保したことで、岸田政権への期待から4日(木)には29880円まで上昇し、その後、28500円水準を下値に、しっかりした動きとなったことで、決算発表のピークを迎える先週は、米国株式が堅調であれば日経平均は3万円を突破できるかどうかの期待ももてました。
しかし、原油高が収まらず、ビットコインなどの商品マーケットの頭打ちから調整に転じていることを考えると、目先、資金の流れの変化を示唆している可能性もあり、予想レンジを29000~30000円としました。
結果的に、週始めの8日(月)の寄り付き29735円を高値に、利益確定売りとなり、円高進行を受けて翌日は29500円を割り込み、その後は29000~30000円のレンジの下限を試す動きとなりました。29000円水準には13週移動平均線があり、29000円を切るとは考えにくいところでした。11日(木)に29040円まで下げて反発し、週末の12日(金)は、△332円の29609円と大幅続伸で引けました。この日の11月SQ値は29388円でしたが、大きく上回って引けましたので翌週(15日~)期待できることになります。
11月8日(月)は、前週末の5日(金)の米株式は、3指標そろって最高値更新となったことで、日経平均は△123円の29753円で寄り付くものの、ここをピークに利益確定売り優勢となり、決算が期待に届かない銘柄もあり、先物売りも重しとなって▲104円の29507円と続落し安値引けとなりました。
9日(火)は、前日の米国株式は3指標は連続で最高値を更新したことで、前場の早い段階では△243円の29750円まで上昇するものの、ここからは利益確定で売られ、心理的フシの29500円を切ると一段安となって▲266円の29240円まで下げ、終値は▲221円の29285円と3日続落しました。
10日(水)は、前日の米国株式が3指標そろって反落したことで、▲76円の29209円で寄り付き、先物安を受けて一時▲205円の29079円まで下げ、終値は▲178円の29106円と4日続落となりました。
11日(木)は、前日の米国株式は3指標そろって大幅続落となりましたが、寄り付きこそ▲60円の29046円でしたが、4日続落していたことから買い戻しが入り、一時△229円の29336円まで反発し、終値は△171円の29277円と5日ぶりの反発でした。
週末の12日(金)は、前日の米国株式は、NYダウはインフレ懸念から3日続落となりましたが、ハイテク株には買い戻しが入ったことで、ナスダックは反発し、これを受けて日経平均は半導体関連株中心に大幅上昇となりました。前場は△103円の29381円で寄り付くと11月SQ値29388円を大きく上回り、一時△383円の29661円まで上昇。ここをピークに戻り売り、利益確定売りで上げ幅を縮小する場面もありましたが、高値圏で推移し、△332円の29609円で引けました。
結局、前週末の終値29611円とほぼ同じ水準まで戻してきたことになります。
今週は、日経平均が3万円台のせるか注目。一方でアメリカのインフレ加速懸念に注意
11月の株価の上昇は、経験則では高く日経平均の月足の陰線と陽線で判断する月間騰落率でみると、勝率は1969年以降で65%と1年のうちで4月の69%の次に陽線となる率が高い月となっています。
2012年以降は昨年まで11月は9年連続で陽線となっており、この統計通りなら11月1日(月)の終値は29647円ですので、これ以上の株価で終わる確率が高いということになります。10月31日の衆議院選を終え、11月1日は好スタートを切りましたが。11月第2週(8~12日)は、11日(木)に29040円まで下げて下値を確認して反発しており、今週は日経平均は3万円台が期待できるところです。
今週は、決算発表がピークを過ぎ、材料難から方向感に乏しい展開となりそうですが、米国株式が再度、上値を試すならば出遅れ感から買われる可能性があります。決算がピークを過ぎ原材料高や半導体不足によって業績予測を下方修正する企業がかなりみられたものの決算を通じて全体の予想EPS(1株利益)は着実に上積みされており、業績相場的な動きとなってもおかしくありません。又、ここにきて国内の景況感が上向きとなり、内閣府がまとめた調査では、直近10月の現状判断DIは55.5%と7年9ヶ月ぶりの高水準に改善しています。
一方で、日本株式は、米株式に上昇では連動せず、下落には連動する動きを考えると先週の米国株式の動きには注意が必要です。11月8日(月)までは、3指標そろって最高値更新の動きとなっていましたが、その後、NYダウは8日の36565ドルをピークに3日連続安となって日足が10月1日の安値から引く下値支持線を割り込んでおり、徐々に調整入りするという見方が出ています、11月3日のFOMCでのテーパリング開始、10月の消費者物価指数の+6.2%と31年ぶりの伸びとなりインフレ懸念を強めているので株価に影響を与えてきている可能性があります。注意が必要です。
本日15日(月)は、寄り付きは、買い優勢で始まり、米長期金利の落ち着きどころを背景に先週末の米国株式市場で主要3指数が上昇した流れを受け、前場の早い段階で29861まで上昇しましたが、心理的なフシ目となる3万円の大台を前に買いは続かず、買い一巡後は戻り売りや利益確定売り押され、また日本の昼休みの時間帯に上海株式やハンセン指数が軟調に推移したこともあり、後場には29718まで押し戻さ、その後持ち直ましたが、戻りは限定的で△166円の29776円で引けました。
(指標)日経平均
先週の予測では、米株式の3指標が最高値を更新しているにもかかわらず、為替が103円台前半の円高となっていることで、日経平均の上値は重いものの日本の決算発表は、ピークとなるので好決算が出ると岸田政権をサポートする形となって3万円の大台にのせることができるかどうかとしました。
しかし、原油価格が高値にあり上値は重く29000~30000円のレンジ内の動きを想定しました。
結果的には、米株式の上昇にもかかわらず円高傾向にあったことでレンジの下限の29040円まで売られました。この29000円水準には13週移動平均線があり、結局、29040円を安値に2日連続の大幅上昇となりました。週の終値は前週末の終値29611円とほぼ変わらずの△332円の29609円で引けました。11月SQ値は29388円となり、これを大きく超えて引けました。
今週は、先週29000~30000円の中で、11日に29040円の安値まで試したことで4日に29880円まで上昇する動きとなっていたことで、ここを突破すると3万円台のせとなります。その上は、30200円台が上値ポイントです。
先週で決算のピークも終り、国内的には岸田政権の経済対策以外は材料不足ですので、あとは米国株式がさらに最高値を更新すれば出遅れ感から日本株が買われる可能性があります。国内的には岸田政権の経済対策40兆円が相場にどれくらい反映するか注目となります。
(指標)NYダウ
先週の予測では、パウエル議長がテーパリングを発表したものの、利上げに関しては労働市場の改善が必要で、今はその時期ではないとしました。そのため早期利上げは後退し、低金利が相場をサポートするとしました。
結果的には、週始めの11月8日(月)までは、NYダウを含め3指標は史上最高値更新となりましたが、11月9日(火)になると生産者物価指数が+6.8%と約11年ぶりの伸びを示したことで、インフレ懸念が高まり、3指標は2日連続の大幅下落となりました。NYダウは11月11日(木)までの3日続落となりました。3日間で500ドルを超える下げとなったことで、安値拾いの買いを誘いハイテク株が買われ、ナスダックが上昇したのに引っ張られ△179ドルの36100ドルで引けました。
今週は、小売の決算や10月小売売上高に注目となります。サプライチェーンの混乱による品不足を警戒し、今年の年末商戦は前倒しの開始が報告されており、もし小売売上高がポジティブサプライズとなれば株価のさらなる上昇要因となります。
一方、10月のコアPCIが30年ぶりの伸びを示したことで、インフレ高進が高まり、早期利上げ観測の思惑が株式の上昇を抑制する可能性があります。
(指標)ドル/円
●先週の動き…インフレ加速を警戒しドル買い強まる
11月9日に112.73円まで下落しましたが、10日発表の10月消費者物価指数が前年同月比+6.2%と市場予想を上回り、早期利上げの思惑が強まり、ドル買いが活発となりました。しかしパウエル議長が早期利上げについては慎重なスタンスであり、114円台前半ではドル売りも観測されましたが、インフレ鈍化の材料が少ないことから113円台後半でドルは下げ渋りました。この週は113.93円で引けました。
●今週は、ドルは伸び悩み…115円近辺の抵抗帯が重し
先週はインフレ高進を受け、早期利上げ観測は後退しているが、直近の消費者信頼感指数は高インフレの影響で悪化している。米国景気の持続的な回復期待は低下しつつあることで、ドル買いがさらに強まる可能性は低いといえます。なお、来年2月に任期を迎えるパウエル議長が再選されなければ、ハト派のブレイナード理事が昇格となればドルが買われることになります。
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