ドル買い先行から円高の動きへ、欧州株高もクロス円下落=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/06/29 20:21
ドル買い先行から円高の動きへ、欧州株高もクロス円下落=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、方向性に欠ける動き。序盤は米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが先行。欧州株は堅調に推移しており、リスク選好的な動きがみられた。しかし、ドル円、クロス円ともに反落の動きに転じている。ドル円は米債利回りの上昇一服の反応した面もあったが、欧州株が上げ幅を拡大するなかでのドル高や円高はやや理解に苦しむ動き。この日発表された7月の日銀国債買い入れ方針で、各ゾーンで減額されたことが影響した面もあるかもしれない。ユーロの上値の重さには全国版のドイツ消費者物価指数に先立って発表された各州ごとの数字が伸び鈍化となったことが重石となる面があったようだ。ドル円は110円台後半で上に往って来い。111円近辺は引き続き重い印象。ユーロドルは1.19台前半から1.19ちょうど近辺へとじり安。ユーロ円は131円台後半で振幅も上値が重い。ポンド円や豪ドル円はそれぞれ今日の安値を広げており、円高圧力が優勢。対ドルでも軟調。米10年債利回りは1.47%台から1.49%台での振幅。

 ドル円は110円台後半での取引。東京午前につけた110.45レベルを安値に、その後は買い戻しの流れとなった。ロンドン序盤には110.76レベルまで反発した。しかし、一時上昇した米債利回りが再び低下すると110.50台へと押し戻されている。この日発表された7月の日銀国債買い入れ方針で、各ゾーンで減額されたことがサプライスとなり、ドル円の上値を重くした可能性も。

 ユーロドルは1.19近辺での取引。1.1920台から上値が重くなり、ロンドン市場ではじり安となっている。一時1.19台を割り込んで、1.1897レベルまで安値を広げた。ユーロ円は序盤に131.80台へと買われたが、その後は下落に転じた。足元では131.56レベルまで安値を広げた。対ポンドではやや買いが優勢だった。米債利回りの上昇局面でユーロドルが下押しされたほか、全国版のドイツ消費者物価指数に先立って発表された各州ごとの数字が伸び鈍化となったことが重石のなる面もあったようだ。

 ポンドドルは1.38台前半での取引。1.3880近辺が重く、下押しされている。ロンドン序盤には安値を1.3836レベルまで広げ、その後の反発は限定的。ポンド円は153.50近辺で上値を抑えられており、軟調。ロンドン市場では153円手前水準へと下押しされている。ユーロポンドは買いが優勢で、0.86台乗せへとじり高の動き。5月の英消費者信用残高が3億ポンド増と昨年8月以来の増加となったが、ポンド買いは限定的だった。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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