◎〔週間外為見通し〕ワクチン接種後の円を探る局面=岡三オンライン・武部氏☆1

配信元:時事通信社
投稿:2021/06/11 16:46
 武部力也・岡三オンライン証券投資情報部長兼シニアストラテジスト=「今年の10月から11月にかけては必要な国民、希望する方、全てを終えること、そうしたことも実現したいと思います」―。これは6/9の衆参両院国家基本政策委員会合同審査会における菅首相の発言だ。菅政権発足以来、初めて行われた党首討論会である。立憲民主党・枝野代表からの新型コロナウイルスのワクチン接種について問われた菅首相は完了時期を初めて明言している。
 ◇ワクチン接種後の円見通し
 バイデン米大統領が独立記念日の7/4までに、成人の7割が少なくとも1回のコロナワクチン接種を終えるとの目標を掲げるなか、周回遅れは否めないが、わが国においても10〜11月までに“希望国民、総接種”という一つのめどが立った格好だ。
 5/17公表の2021年1〜3月期実質GDP長率は前期比年率マイナス5.1%だった。恐らく4〜6月期もゼロ近傍かそれ以下の成長に留まる見通しだがワクチン接種の見通しが今回の党首討論で見え始めたことから今後は個人消費の悪化も低減化し、抑制されてきたサービス消費も活発化する期待が高まるところだ。景気回復感は強まり、感染リスクも徐々に低下するなら21年度後半から22年度にかけては景気停滞感から抜け出す可能性となる。日本株には明るい見通しだ。
 衆議院任期満了、総選挙時期もにらむなら政権与党・為政者側としては日本株・日経平均の上伸性を有権者に向けてアピールし、下げさせるわけにはいかないタイミングでもあろうか。
 では、日本円はどうか。1月からの円安基調は継続し、目先、壁となっている1ドル110〜111円を超えていけるのだろうか。筆者のイメージは対ドル以外、対主要通貨での円安がドル円を支援するとしたアプローチの場面を描いている。
 ◇ワクチン接種後の日銀見通し
 新型コロナワクチン接種に後れを取った日本もようやく主要国との足並みをそろえはじめた。そうしたなかでドルの行方を左右するバイデン政権、そして米連邦制度理事会パウエルFRB議長は米景気回復見通しを強める一方、金融政策正常化へのかじ切りには極めて慎重に映る。過去号において筆者はバイデン大統領が連邦準備改革法での「雇用」「物価安定」とした二つの責務に「人種の平等」を加えるべきとの主張を示した経緯から、米雇用統計での人種別失業率格差を縮小するとした意向を改めて示せば、FRBの金融正常化の道は極めて遠い可能性を挙げた。それは理想と現実の乖離(かいり)に悩むバイデン政権とFRBの苦悩は結局、不動、とした見方につながるからだ。
 そこで注視しているのはFRB、米ドル以外である。4月以降、カナダ中銀やニュージーランド準備銀、そしてスウェーデン中銀でもインフレ見通しの上昇修正、利上げや緩和縮小と言った金融政策正常化のタイミングを模索し始めている。
 では『日銀も主要中銀の動きに追随すると思うか』、と問われれば、『異次元緩和の手綱を緩めるとは到底思えない』、と答えるのが市場参加者の見立てではないか。
 4/27に日銀が公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)では2023年度の物価見通しはわずか1.0%の上昇見込みであり2%目標をはるかに下回る見通しを示している。つまり少なくとも2023年末までは現状の金融政策を維持するものと予想され、6/17〜18の日銀金融政策決定会合や黒田総裁の会見でも示される可能性が極めて高い。(続)
[時事通信社]
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