チャートは弱気転換 日銀ETF買いの有無に注目
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 473.66 ドル安の 34269.16、ナスダック総合指数は 12.43 ポイント安の 13389.43 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28575 円付近での推移。したがって、本日の東京株式相場は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、窓を空けて大幅安。チャートが「弱気転換」しており、下方の壁の存在が微妙となっている。株価下落の要因となったのが、米インフレ懸念の高まり。同時に米長期金利が上昇し、ハイテク株・成長株に売りが出たからだ。
本日は NY ダウも下落したことで、国内投資家の心理はさらに悪化するだろう。あとは日銀ETF 買いが入ってくるかどうか――。前回の下落時には日銀が買い支えた経緯があり、それが実際に入ってくるかどうかが問題だ。もし、入ってこなかった場合には、チャートは完全な「下放れ」の様相となる。日銀によるステルス・テーパリング(隠れた緩和縮小)も意識され、投資家は一段と警戒感を強めることになりそうだ。ボックス相場が継続している可能性は残されているが、投資家はここでは「売りスタンス」を維持するしかない。
市場にとってリスクなのは、ワクチン、五輪、そして菅政権の支持率低下だ。足元の世論調査では 35%と集計されており、昨年9月発足以来の最低値を記録した。20%台の危険ゾーンにも近づいており、株式市場が「ワクチン遅れ→五輪中止→政局」を意識するのは時間の問題だと思われる。投資家は「先行き不透明」を極端に嫌う。「とりあえず売り」で反応する可能性が十分にあり、相当な覚悟で身構える必要があるだろう。
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