先週は、SQ清算日までは米株式の上昇を受けながら、もみあいが続いたがSQ通過後の週末は大幅高
先週の予測では、12日(金)は3月メジャーSQの週であり、「節分天井・彼岸底」のアノマリーからいえば、2月16日に30714円と節分天井をつけているのであり、3月5日に28308円の安値をつけており、12日(金)のSQ前に、もう一段の下げを期待していました。ところが、米国市場で追加経済対策(コロナ救済法案)の成立期待が高まり、同時に経済回復期待も高まったことで、NYダウが5日連騰となり、そのうち4日連続の史上最高値更新となったことで、日経平均の下値がサポートされSQに向けての下落は不発に終りました。
「節分天井・彼岸底」は日経平均の指数でみると2月16日の30714円から3月5日の28308円まで2406円幅で約8%の下げとなりましたが、日経平均の指数に寄与度が高いハイテク株中心の上げ下げの結果であり、個人投資家の好む中小型株の動きは目立つものはありませんでした。
結局、週始めに▲121円の28743円まで下げたあとは、米株式市場はNYダウを中心に大幅上昇となるものの、日経平均はSQ前日の11日(木)までは、29000円をはさんだもみあいで、SQ前の売り仕掛けも入ることはありませんでした。
12日(金)の3月SQ当日は、前日の米国市場は、NYダウが4日連続の過去最高高値を更新し、この日、S&Pも最高値更新となりました。その背景は1.9兆ドルの追加経済対策が成立し、30年物国債入札も無事に終り、長期金利も落ち着きをみせたことにあります。新規失業保険申請件数も予想を下回り、これまで大きく下げていたハイテク株も大きな戻りとなっていました。こうした流れを受け、この日の日経平均は△76円でスタートすると、いったんマイナスに転じる場面もありましたが、3月SQ値は29282円となって、SQを通過したことから上げ幅を拡大しました。後場には時間外のNYダウ先物が堅調であることで、△532円の29744円まで上昇し、終値は△506円の29717円となりました。米の半導体株高の流れから、日本市場も半導体を中心にしたハイテク株の値ガサ株が大きく反発していました。
12日(金)の米国市場は、前日の1.9兆ドルの経済対策成立の流れから、景気敏感株中心に堅調な動きが続き、NYダウは△307ドルまで上昇し、終値は△293ドルと6日続伸(5日連続の最高値更新)となり、S&Pも△4Pと前日に続き最高値更新でした。しかし、ナスダックは長期金利が上昇したことで反落となり、▲78Pの13319Pとなりした。為替は109円台の円安となりましたが、シカゴの日経先物は▲50円の29540円で引けました。
今週は、日米で2大金融イベントがあり、週後半への上昇期待が高まりそうです
先週は、メジャーSQの週で、SQ清算日12日(金)の前後に彼岸底を期待し、3月5日につけた28308円を試す動きとなれば買いチャンスと考えていました。しかし、下げのきっかけとなる長期金利も一服し、1.9兆ドルの追加経済対策の成立する週となったことで、NYダウは5日連続の史上最高値更新となりました。これだけNYダウが強ければ、日本は3月は売られやすい特殊要因がありますが、下値のサポートとして作用することになりました。3月はメジャーSQ、確定申告、期末、年度末などが重なり、一時的に「売り」が出やすくなるところなのです。そのため12日のSQ日前までは、29000円をはさんだもみあいとなっていましたが、メジャーSQを通過すると一気に上昇となって△506円の29717円で引け、25日移動平均線(12日時点29492円)も軽く突破してきました。
今年の彼岸は、3月17日からで、その前にFOMCが16~17日、その後に日銀金融政策決定会合があります。様子見で下げる場面があれば、4月の新年度を睨んで買っていくところです。今年の「節分天井・彼岸底」は、結果的にはNYダウの連日の最高値更新に下値をサポートされ、2月16日の30714円の節分天井のあとの3月5日の28308円の安値で一気に戻りスピード調整型となってしますようです。しかし、2月の高値から1ヶ月で約8%調整し、75日移動平均線(28000円水準)に迫ったので、当面の底値は確認したといえるかもしれません。
今週の日経平均の動きは、18~19日の日銀金融政策決定会合を終えるまでは、大きな動きは見込めませんが、16~17日のFOMCでは長期金利の上昇を巡り、踏み込んだ議論や決定が行われるかに注目が集まります。何もなければ週末の日銀金融政策決定会合も波乱はなく、イベント通過後の上昇が期待されることになります。週始めは、日米の金融イベントを前に様子見が考えられますが、FOMCの内容次第では週後半にかけて、上昇期待から来週にかけて力強さを取り戻す展開も想定されます。
本日15日(月)は、前週末の堅調な地合いや、NYダウが3日連続で史上最高値を更新したで、買いが先行し、また、株価指数先物に断続的な買いが入ったことをきっかけに、午前の始め頃には△166円の29884円まで上昇しました。しかし後場は、売り優勢のスタートとなり、一時マイナスに沈む場面もありましたが、押し目買いから、下げ渋ってプラスに転換し、動意には欠けるものの、しっかりした動きとなりドル/円も109.30円台と円安方向にあったことで、引けは△49円の29766円となりました。
(指標)日経平均
先週の予測では、引き続き長期金利の上昇に注目とし、基本的には12日(金)のメジャーSQを前にこう着感を強め、荒い動きになっていく可能性があるとしました。週半ばには米2月消費者物価指数の発表もあり、内容によってはインフレ懸念から長期金利の上昇に注目としました。日本のSQと絡まって先物主導で下落となれば3月5日の28308円を下回る28000円を1つ目の目標としました。
ところが、先週は米国では追加経済対策の成立の動きとなって株価は経済回復の期待から上昇を続け、NYダウは5日連騰で4日連続の史上最高値更新となりました。日経平均はNYダウに連動するパターンにそのまま当てはまらず下へ向かう動きもみせましたが、結局は、29000円をはさんだもみあいとなり、メジャーSQを利用しての先物の売り仕掛けはありませんでした。その結果、SQが通過すると後場に一段高となり△532円の29744円まで上昇して終値は△506円の29717円で買転換となりました。
今週は、16~17日のFOMC、18~19日に日銀金融政策決定会合を控え様子見気分が高まるものの、米株が堅調であれば日米金融イベントの通過後、上昇期待がでてくることになります。2月16日の高値30714円から、3月5日の28308円まで約1ヶ月で約8%の下落となって反発しており、安値が確認できているとすれば、週後半から4月相場に向けて上昇する可能性があります。
柴田罫線では、3月4日に売転換となり、3月5日に28308円まで急落しましたが、すぐに反発し先週は週半ばまでもみあったあと週末は△506円の29717円と大幅上昇し買転換出現となりました。
(指標)NYダウ
先週は、長期金利の上昇に注目し、ナスダックは「調整入り」を示しているため、このままさらに下げが加速すれば、NYダウにも影響がでてくるとしました。
結果的には、長期金利の上昇は一服となり、ナスダックも戻りを試す動きとなったことで、追加経済対策の成立とコロナワクチン接種の進展期待から景気回復期待で景気敏感株買われ、NYダウは6日続伸し、5日連続の史上最高値更新となりました。柴田罫線でみると上向きの先細り三角形を突破してきていますので、いったん一服してもそのまま上昇が続く可能性があります。
今週も成立した1.9兆ドルの経済対策法案に含まれる国民への1400ドルの直接支給は、週末から実施される予定ですので、相場を押し上げる材料となります。長期金利の上昇で売られていたハイテク株も戻りを試しており、押し目買いとして相場を支えそうです。ただ、経済の回復に伴い金利上昇傾向は続くことになりますので、ハイテク株の急落前のような上昇は期待できません。経済協力開発機構は、大規模な追加経済対策の成立を受けて、世界の経済成長見通しを従来の3.2%から6.5%へ2倍強引き上げました。バイデン政権は年内にインフラを拡大する計画で、さらに回復を高めることになります。但し、インフレと長期金利動向は注意となってきます。
(指標)ドル/円
●先週は、米景気回復期待でドル買い強まる
先週は、3月9日に東京市場で109.23円までドルが買われましたが、10日発表の2月米消費者物価指数が下回ったことで、ドル買いが一時、縮小しました。しかし、11日発表の今週新規失業保険申請件数は予想以上に減少したことや、追加経済対策が成立したことで、ドル買い・円売りが再び優勢となり、12日には109.15円まで上昇しました。その後、長期金利が上昇したことで109.04円で引けました。
●今週は、日米金融イベントを見極めるためもみあいか
3月16~17日のFOMCで長期金利の過度な上昇を抑えるための具体的議論がされる可能性があり、あらためて緩和的な政策を示すとドル買いは縮小の可能性があります。ただ、パウエル議長をはじめ米金融当局は長期金利の上昇について「米国経済の回復を反映している」との見方を伝えており、コロナの感染抑制によって景気見通しが改善しつつあるのでリスク回避的なドル売り・円買いが広まる可能性もあります。
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