ドル買い優勢、米債利回り上昇で ドル円108円台半ば=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/03/08 20:35
ドル買い優勢、米債利回り上昇で ドル円108円台半ば=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢になっている。米10年債利回りが再び1.61%台まで上昇する場面があり、金利面からのドル買い圧力がみられた。株式市場では日本株やアジア株の下落とともに米株先物が時間外取引で軟調に推移している。一方、欧州株は先週末の米株式市場の大幅高を受けて買いが優勢とまちまち。NY原油先物は66ドル台へと反落している。総じて調整の動きが広がっている。ドル高の動きは特にユーロドルで顕著。1.19台割れから1.18台後半へと下押しされている。豪ドルやNZドル、カナダドルに対してもドル高の推移。ドル円は108円台後半でじり高となり高値をやや伸ばした。そのなかでは、ポンドドルは1.38台前半で底堅く推移している。ベイリー英中銀総裁からはマイナス金利について慎重な姿勢が繰り返されており、従前から特段の変化はみられなかった。

 ドル円は108円台半ばでの取引。米10年債利回りが再び1.61%台まで上昇する動きとともに、じり高となり、高値を108.61レベルまで伸ばした。その後は米債利回りの上昇が一服しているが、ドル円の下押しは浅い。

 ユーロドルは1.18台後半での取引。1.19台を割り込んでおり、安値を1.1866レベルまで広げている。ユーロ円は129円台を割り込んで、128.78レベルに安値を広げた。対ポンドでのユーロ売り圧力がみられ、ユーロポンドは0.86台割れへと押し下げられている。主に、米債利回り上昇がユーロ売りの背景となっているが、加えて、1月ドイツ鉱工業生産の予想以上の落ち込みとなったことも重石だった。一方、3月のユーロ圏投資家信頼感は新型コロナ禍発生前の水準を回復したが、目立った反応はみられなかった。

 ポンドドルは1.38台前半での取引。全般にドル高圧力が広がるなかでは、ポンドドルは1.38ちょうどから1.3850近辺で底堅く推移している。ポンド円は150円台乗せから150.37近辺に高値を伸ばしており堅調。ユーロポンドは0.86台前半から0.8570台まで軟化している。ベイリー英中銀総裁は講演で、マイナス金利について準備をしているが、マイナス金利の準備のみに注力しているわけではない、と述べた。これまでのマイナス金利について慎重な姿勢から変化はみられていない。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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