どこまで上がるかではなくどこで降りるか?【西村剛】

著者:西村剛
投稿:2021/01/13 18:05

楽観するまえに考えるべきことは・・・

日経平均株価はバブル崩壊後の最高値を連日更新、米国株も高値圏を維持し、日米ともに株式市場は上昇トレンドに入っています。
メディアでは日経平均株価30000円大台か?という期待感を煽る報道も出始め、ツイッターで個人投資家の投稿をみると楽観的な投稿が目立つようになってきました。
そろそろ「降り時」を考え始めておく時期でしょう。
降り時とは、「株式市場が上昇トレンドから下落トレンドに転じ買いポジションを全て手仕舞うタイミング」と考えて下さい。
株を買って利益をあげることは運がよければ誰にでもチャンスはありますが、
うまく降り時で買いポジションを全て手仕舞えるかどうかは、「技術」です。
降り時を考えるにあたって最も重要なのは、「最後は損失で終わる」ということです。
トレンドの転換点をドンピシャのタイミングで見極めるのは至難のわざです。
普通は上昇していた株価が下落に転じたタイミングで、「トレンド転換した」と判断します。ですので株価のピークで得ていた幻の含み益が減少した状態で
「トレンド転換した」と判断する必要があります。
これがなかなか難しいのです。
システムトレーダーであれば、手仕舞いするタイミングが条件化されているため躊躇なく手仕舞いできるとは思うのですが、裁量トレーダーの場合、株価が上昇トレンドから下落トレンドに転じた時でも、「これまで株価が上がっていたのだからまだ元に戻るだろう」と楽観的に考えてしまい、結果としてそのままずるずる株価が下落し塩漬け・・・なんてことはよくあります。
それくらい「降り時」が難しいのです。今のところ日経平均株価は上昇トレンドを維持しており、まだまだ「降り時」ではないでしょう。ですのであせって降りる必要はありません。ただ・・・どういう風に日経平均株価が動いたら降りるのか?
というタイミングは考えておいたほうがよいでしょう。
ぜひ今のうちに考えておいてくださいね。

西村剛
フェアトレード株式会社 代表取締役
配信元: 達人の予想