欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米雇用統計が堅調なら104円台定着も

配信元:フィスコ
投稿:2021/01/08 17:25
8日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米バイデン次期政権の国債増発観測で、長期金利の上昇を手がかりとしたドル買い基調は継続の見通し。また、本日の米雇用統計が予想を上回れば、ドル買いの支援要因となりそうだ。

米ジョージア州の上院議員選(2議席)の結果、上下両院を同党が多数派を占める「ブルーウェーブ」となり、バイデン政権の大規模な財政出動が期待され、国債増発観測から米10年債利回りが大きく持ち直した。また、円滑な政策運営への思惑で株式市場も強気相場となり、ドル買い基調が鮮明に。本日のアジア市場でもその流れが受け継がれ、ユーロ・ドルは1.22ドル半ばまで値を下げた。一方、日経平均株価が28000円台に水準を切り上げたことでリスク選好の円売りが優勢となり、ドル・円は104円を付ける場面もあった。

この後の海外市場でも、米金利高を背景としたドル買いが継続しよう。そうしたなか、ユーロ買いの持ち高調整でユーロ売り・ドル買いが強まり、ドル・円を小幅に押し上げる見通し。他方、今晩発表の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+6.2万人(前月+24.5万人)、失業率は6.8%(同6.7%)と悪化が予想される。ただ、新型コロナウイルスまん延は懸念されるものの、ワクチン接種が期待され、想定より低調な内容でも遅行指数との見方から反応は限定的とみる。逆に予想を上回れば、株高・金利高でドルは104円台に定着しそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・11月失業率(予想:8.5%、10月:8.4%)
・22:30 米・12月非農業部門雇用者数(予想:+6.2万人、11月:+24.5万人)
・22:30 米・12月失業率(予想:6.8%、11月:6.7%)
・22:30 米・12月平均時給(前年比予想:4.5%、11月:4.4%)
・22:30 カナダ・12月失業率(予想:8.7%、11月:8.5%)
・24:00 米・11月卸売在庫改定値(前月比予想:-0.1%、速報値:-0.1%)
・01:00 クラリダ米FRB副議長オンライン討論会参加(経済と金融政策)
・05:00 米・11月消費者信用残高(予想:+90.00億ドル、10月:+72.28億ドル)


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配信元: フィスコ