今日の為替市場ポイント:米国の政治不安増大を警戒

配信元:フィスコ
投稿:2020/12/28 08:16
25日のドル・円は、東京市場では103円68銭から103円50銭まで下落。欧米市場では、103円56銭から103円39銭まで下落し、103円43銭で取引終了。本日28日のドル・円は、主に103円台で推移か。米国の政治不安は消えていないため、リスク選好的な取引は縮小する可能性がある。

年末前に米国の政治不安が高まっている。トランプ米大統領は2021年度予算案と一体化している新型コロナウイルス追加経済対策法案の署名を拒否し、修正を求めている。つなぎ予算の期限が切れる12月28日までに議会が適切に対応しなければ、失業保険の上乗せ、3000億ドル以上もの企業支援、ワクチン配布、学校や立ち退きに直面している賃貸人への支援などがストップする。政府機関の一部が閉鎖される可能性もある。

トランプ米大統領は、国民への現金給付金の引き上げや不必要な支出排除などの修正を要求している。不必要な支出には対外支援が含まれているとみられており、一部の識者は「対外支援を大幅に削除すれば、米国の一般市民への支援に充てることは可能」と指摘している。民主党のペロシ下院議長は28日に、現金給付金を増額する単独案の採決を行う意向だが、2021年度予算案の修正には応じないとみられており、トランプ大統領の対応が注目される。

<CS>
配信元: フィスコ