【これからの見通し】ドル売り圧力継続か、ユーロドルは節目の1.20が焦点に

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/11/30 15:53
【これからの見通し】ドル売り圧力継続か、ユーロドルは節目の1.20が焦点に

 週明けはドル売りが優勢に始まっている。値幅自体はそれほど大きくはないが、ユーロドルが1.19台後半から1.20の節目水準をうかがう動きとなっており、その動向が注目される。ドル円は103円台後半で先週末の安値を下回っている。豪ドル/ドルは中国との貿易摩擦が気がかりではあるが、中国経済の回復力の強さに期待がかかる面もあり、一時0.74の大台をつけた。ポンドドルは先週は1.34台から1.32台へと上値が重かったが、週明けは1.32台後半から1.33台半ばへとやや値を戻している。

 ドル安の背景としては、新型コロナワクチン開発の進展で早期普及への期待が広がっていることが、リスク回避の動きにつながっている面が指摘されよう。きょうのポンド高の動きはこれが背景との見方もあるようだ。また、米金融当局の超緩和姿勢が規模の面でも期間の面でも期待されており、全般にドル金利に低下圧力が働いていることも指摘されるところだ。

 ただ、日々の取引では株式動向や原油など商品市況の上下動で市場のセンチメントが揺れ動くことから、なかなかドル売り一辺倒ともならない。週明けの米株先物は軟調に取引を開始している。

 きょうはユーロドルが1.20の節目水準に接近してきており、心理的な壁となるとともに、ECB当局者からのユーロ高けん制発言に対する思惑もでてきそうだ。ポンドに関しても、英国とEUとの貿易交渉には具体的な進展がなかなか見られない点には留意すべきだろう。きょうは月末でもあって、実需フローに翻弄される可能性もあり注意しておきたい。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス小売売上高(10月)、スイスKOF先行指数(11月)、南アフリカ貿易収支(10月)、ドイツ消費者物価指数・速報値(11月)、カナダ経常収支(第3四半期)、カナダ住宅建設許可(10月)、カナダ鉱工業製品価格(10月)、カナダ原材料価格指数(10月)、米シカゴ購買部協会景気指数(11月) 、米中古住宅販売成約指数(10月)など。ドイツ消費者物価指数は前月比、前年比がともにマイナス領域となる見込み。

 発言イベント関連は、ラガルドECB総裁、テンレイロ英中銀委員、バーキン・リッチモンド連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ユーロ圏財務相会合、OPEC総会などが開催される。ラガルドECB総裁から12月理事会の追加策のヒント、為替相場に対するコメントなどが注目される。


minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)