【IRアナリストレポート】コシダカホールディングス(2157)

著者:鈴木 行生
投稿:2020/10/30 13:30

~コロナショックを乗り切り、新しいエンタメ・インフラをめざす~

【ポイント】
・コロナショックを乗り切る目途も立ってきた。感染の波が来ても、店舗休業の要請がなければ十分対応できる。カラオケの店舗は4月、5月は休業が続いたが、6月から全店営業再開となった。2020年8月期の3Q(3~5月)は大幅赤字となったが、ここをボトムに、その後は回復に入っている。今2021年8月期の2Qからは黒字に転換しよう。

・店舗の感染症対策は進んでいる。損益分岐点も従来の水準から引き下げている。当社のカラオケの顧客サービス、競争優位性は引き続き高い。資金面では、手持の現金と既に調達済みの借入金で十分賄うことができる。黒字化も見通せるので、キャッシュ・フロー上の問題もない。

・2020年2月末に、カーブス事業をスピンオフした。カーブスは3月に東証1部に上場した。日本初のスピンオフ税制を使った事業の分割独立で、分割前の株主に何ら不利益はなかった。腰髙社長は、経営を分けた方が互いの成長力を高められると判断した。

・分割後のコシダカHD(ホールディングス)は、新しいエンタメ・インフラ企業を作っていく。創業の精神が「既存業種新業態」にあり、新サービスと海外展開で飛躍を目指す。カラオケルームをPER(プライベート エンターテイメント ルーム)に変えて、新しい楽しみ方を提案する。10月に渋谷にオープンする店舗が第1弾である。

・カラオケは、まねきねこブランドの首都圏展開、集客戦略が当たって、収益性を向上させてきた。これからはAI(人工知能)を活用した新しい楽しみ方なども具体化しよう。海外はコロナの影響で、まだ苦戦が続いている。タイに続き、インドネシアでの出店も始まったが、今は落ち着きを待っている。

・コロナショック後の経営はどう変化するのか。「既存業種新業態」を軸に、既存市場での事業を新業態の仕組みに変えていく路線は変わらない。「エンタメをインフラに」をビジョンに、中長期的な成長を目指す。今回のコロナショックの克服にはあと2年を要しようが、収益性を戻すことは十分見込めるので、次の展開を見ながら、投資のタイミングを計りたい。

目 次
1.特色 「既存業種新業態」の総合余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.スピンオフ カーブスをスピンオフで分離独立
4.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
5.当面の業績 コロナショックは十分乗り切れる
6.企業評価 本格回復は2年後

コシダカホールディングス <2157>
企業レーティング
株価
(2020年10月29日)
408円
時価総額 335億円
(82.3百万株)
PBR 1.45倍
ROE 3.9%
PER 37.1倍
配当利回り 2.0%
総資産 44555百万円
純資産 22911百万円
自己資本比率 51.4%
BPS 281.0円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2014.8 37720 4276 4370 2423 32.0 6.9
2015.8 44257 4394 4492 2098 28.2 7.5
2016.8 51170 4810 4699 1900 26.2 8.0
2017.8 55283 6146 6354 3255 43.6 9.0
2018.8 61771 7858 8207 4426 54.4 10.0
2019.8 65840 9507 9562 6226 76.6 12.0
2020.8 43303 1147 1699 -231 -2.8 12.0
2021.8(予) 35000 1800 1800 900 11.0 8.0
2022.8(予) 38000 3000 3000 1600 19.6 8.0

(2020.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近ベース。14.8期末に1:2、2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/kosidaka202010.pdf
 
(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則について(詳しくはこちら)〕

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配信元: みんかぶ株式コラム

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