◎〔週間外為見通し〕次期米大統領でのドル円シナリオ準備=岡三オンライン・武部氏

配信元:時事通信社
投稿:2020/10/16 15:57
 武部力也・岡三オンライン証券投資情報部長兼シニアストラテジスト
 ◇2020年米大統領選挙後のドル円
 バイデン前副大統領の勝利を確信し、米連邦議会選挙でも上院議席も民主党が多数奪還する、との前提で考察しよう。前提が確定となれば上院・下院とも民主党が実権を握り、ねじれは解消される。青色に象徴される民主党が“大統領・上院・下院”の“トリプルブルー”の達成を成す。その場合、経済対策は共和党案より拡大する可能性が高まるか。
 財政刺激策の規模拡大に加え、気候変動対策、社会福祉対策等の支出が増え、政府債務残高の拡大懸念が一層強まれば、米債価格への圧迫を高め、米債金利のさらなる上昇を呼び込むこととなる。ドル高誘引か。バイデン勝利のシナリオを10/2東京市場午後のトランプ大統領新型コロナ感染、陽性判明を起点としてイメージするなら米10年債金利は0.65%から10/10には0.80%目前まで上昇した経緯で想定する。その途中となる10/5にトランプ大統領は早々に退院姿を見せたがトランプ陣営、共和党不利、劣勢挽回に至らず、と読まれたかもしれない。(注:10/15時点では0.70%に米10年債金利は下落。トランプ陣営巻き返し、との読みか)ただし、4年前のようにドル高が一本調子で進むかと言えば、忘れてはいけないのが現在の金融政策とパウエルFRB議長の存在となる。「平均インフレ目標」、つまりはしばらくの間、2%をやや上回る程度のインフレ率を目指す、2023年以降も暫くは実質ゼロ金利を継続するとの思考だ。そして長期金利が大きく上昇し、景気回復に水を差す可能性を排除、抑制するためには量的緩和策の深掘り、例えるなら日銀のように債券買い入れ枠を拡大し、イールドカーブの上方シフトを抑制する可能性が高いことだ。事実、9/31にクラリダFRB副議長は、「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合に見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残しておくべきだ」とその可能性を示唆しており、米債長期金利の上昇が顕著となれば黙認するとは到底思えない姿勢となる。つまり金利上昇によるドル上伸も早々に終息するのではないか。そして9/21、9/28週号で指摘したように連邦準備改革法の「最大限の雇用」「物価安定」とした二つの責務に「人種の平等」を足すべきとした“トリプルブルー”の圧力が実現化されれば将来、緩和・ゼロ金利政策を解除するにも人種別に雇用回復の遅延が指摘されるようだとFRBの金融正常化判断は政治に阻害される恐れが強まるだろう。FRBは数年間、現策から脱せず、ドルブル派の失望を強めるのではないか。ドル安、ドル売りである。
 対して、冒頭で紹介した通り、菅首相の覚悟も明白。政府・日銀との一体感は市場対話をもって円安、円売りを具現化し続けることとなろう。結局はドル売りVS円売りの綱引きか。
【来週のドル円予想レンジ】104円40銭〜106円00銭(了)
[時事通信社]
配信元: 時事通信社
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