月末に絡んだ円売りフローがドル円を下支えとの指摘も=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/09/30 06:10
 きょうのNY為替市場は通貨ペアごとにまちまちの動きとなった。ユーロは上昇した一方で、ポンドは上値の重い動き。そのような中で、ドル円は105円台の狭い範囲での値動きに終始したものの、底堅い推移を堅持した。

 きょうの米株式市場はここ数日の上げを一服させているものの、下押す動きまでは見られていない。本日は現地時間の夜(日本時間30日午前)に米大統領選の第1回テレビ討論会が予定されており、それを待ちたい雰囲気も出ていたようだ

 月末に絡んだ円売りフローがドル円を下支えしているとの指摘も聞かれた。日本株が他国の株式をアウトパフォームしており、それを考慮すると、月末のリバランスに伴う円売りフローが出てもおかしくはないという。一方で複数の投資銀行モデルがドル買いを推奨していることもドル円のサポートになっているとも指摘している。一方、ドル円には106円を試す可能性もあるものの、クロス円の買いはリスクを伴うという。

 目先は105.80円が上値メドとして意識され、その水準を突破できれば、106.50円を試す可能性もありそうだ。本日は21日線が105.60円付近に来ているが、その水準を試す動きが続いている。一方、下値サポートは105.20/30円水準が意識される。

 ユーロドルはきょうも買い戻しが続き、1.17ドル台を回復。1.17ドル台前半の水準も回復しており、更なる上値期待を高める展開が見られている。1.17ドル台前半は8月には強い下値サポートとして意識されていただけに、その水準を回復して来たことはリバウンドに向けて弾みとなっていたようだ。

 ただ、本日の21日線が1.1790ドル付近に来ているが、1.17ドル台後半の水準での定着が確認されるまでは、1.20ドル台を目指す流れに戻したかは信頼感が置けないとの声も聞かれる。

 きょうは9月のユーロ圏の景況感指標が発表されていた。欧州では感染第2波が拡大しており、スペインやフランスでは規制を再導入している状況。そのような中で景況感の悪化も心配されていたが、意外にも回復の持続を示す内容に驚きも出ているようだ。しかし、エコノミストの間ではユーロ圏の景気の先行きに慎重な声も多く、GDPがパンデミック前の水準に戻るには少なくとも2年はかかるとの予想も聞かれる。

 ポンドドルは上値の重い動き。ポンドドルはNY時間に入って買いが強まり、瞬間的に1.29ドル台を付ける場面が見られた。ベイリー英中銀総裁の発言にポンド買いで反応している模様。総裁は「マイナス金利活用について判断下していない」と述べた。また、きょうからEUとの貿易協議が再開しているが、英国が協議の打開目指し、新たに5つの合意案をEUに送付したと伝わったこともポンド買いを誘発している。ただ、きょうのポンドは上値が重く、一時的な動きに留まっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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