前田工繊（7821）業績・株価ともに底堅く上値を試す動きが続く◆あすなろ投資顧問 加藤あきら◆

業績・株価ともに底堅く上値を試す動きが続く

【事業内容】
　土木資材を手掛ける大手で、河川護岸材や道路補強用資材などを取り扱い、インフラ公共投資に深く関わる。国土強靭化や災害復興関連としての恩恵を享受、さらに買収した世界的に有名な高級ホイールブランドBBS事業による収益向上も。護岸・岸壁において突如として起こる陥没に対応し、気候変動とともに年々増大傾向にある透過波を約80％減衰させることができる技術開発が高く評価される。

【業績面】
　業績面においては7/31に第3Q決算を発表、売上高は9.5％増収、営業利益は6.9％減益で公共工事事業が業績をけん引。また新型コロナウイルス感染症対策として不織布関連製品の需要急拡大も加わり利益率も改善。自動車向けのアルミホイールを製販するBBSが自動車生産台数減少の煽りを受けてヒューマンインフラ事業の利益水準が大きく凹んでいる。

【株価動向】
　株価は3/17安値1573円で底打ちした直後は緩やかに戻りを試す動きだったが、5月から業績の底堅さが確認されると徐々に買い進まれる展開となった。コロナショック以前の水準を回復した後も年初来高値を更新し続け、足元でも昨日新高値を更新するなど上値指向が強い。需給面は良好でありながらテクニカルも過熱感なく、上値を試す動きに期待がかかる。