【来週の注目材料】ドットプロット 2023年末に注目 ~米FOMC
2023年末時点での見通しに注目~米FOMC
15日、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。政策金利、量的緩和などは現状維持が見込まれています。
先月27日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演で、同日に臨時会合が開かれたことが公表され、ゼロ金利政策を長期間にわたって継続するために、金融政策の設定における新たなアプローチが示されました。
PCEデフレータ前年比2%というインフレターゲットを期間平均で目指すという姿勢を示し、インフレの下振れが続いた後に、2%をオーバーシュートする期間を容認する可能性が示唆された形です。
この講演の前までは、ジャクソンホールでのパウエル議長講演で今後の姿勢が示唆され、今月の会合で方針が決定され、フォワードガイダンスとして示されるという流れを市場は想定していました。
しかし、FRBが予想外に臨時会合を実施してアプローチを決定し、声明として発表済みという今の状況。新型コロナウイルスの影響で大荒れとなった3月に、臨時会合を開催し利下げを実施しましたが、8月末の段階での臨時会合は予想外でした。今回の金融政策姿勢の変更はすでに想定されていた事態であったため、通常会合での発表ではインパクトが薄れることを憂慮しての実施だと思われます。実際にかなりのインパクトをもって、ドルの売り材料となりました。
こうした状況を経て、今回のFOMCです。もともと想定されていた立ち位置から変わりましたが、注目ポイントが2点あります。
一つ目は、フォワードガイダンスのさらなる変更が見られるかどうかです。
市場では今後ゼロ金利政策を解除するにあたって、利上げとインフレ率をリンクさせるなど、より明確なガイドラインがどこかのタイミングで示されると考えられています。
先月の臨時会合でインフレ率の2%超えというオーバーシュートを許容する姿勢を示したタイミングで、さらにフォワードガイダンスを強化して、現状の緩和政策の長期維持姿勢を強くアピールするという可能性が指摘されています。
ただ、ここで慌ててガイダンスの変更を行う必要があるかは疑問という見方も。追加緩和手段がなくなっていく中で、重要な手段の一つガイダンス変更については、より慎重な運営となり、実施は来年以降ではという見方です。
今後の変更は既定路線となっており、今回見送られても影響は限定的となりそうです。実施した場合は、ドル売り材料となります。
二つ目はFOMCメンバーによる経済成長率、物価、雇用、政策金利水準の見通しを示すプロジェクションマテリアルです。
年8回のFOMCのうち、3月、6月、9月、12月のFOMCで示される同見通し。その年を含め、数年先まで及び長期の予想が示されます。毎年9月のFOMCで予想される年を一年延ばします。今回の例でいうと前回までは2020年、2021年、2022年と長期という見通し。今回からはそこに2023年の見通しが加わります。
注目されているのは、プロジェクションマテリアルの中でも、各メンバーの年末時点での政策金利見通しを示すドットプロット。今回から示される2023年末時点での政策金利水準を示したものがどうなるか。2022年末まではゼロ金利継続がほとんどとなっていますが、2023年末時点でも同様な状況を示すのかどうか。ゼロ金利見通しが依然として過半を占めるようだと、ドル売りの大きな材料となります。
MINKABU PRESS 山岡和雅
15日、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。政策金利、量的緩和などは現状維持が見込まれています。
先月27日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演で、同日に臨時会合が開かれたことが公表され、ゼロ金利政策を長期間にわたって継続するために、金融政策の設定における新たなアプローチが示されました。
PCEデフレータ前年比2%というインフレターゲットを期間平均で目指すという姿勢を示し、インフレの下振れが続いた後に、2%をオーバーシュートする期間を容認する可能性が示唆された形です。
この講演の前までは、ジャクソンホールでのパウエル議長講演で今後の姿勢が示唆され、今月の会合で方針が決定され、フォワードガイダンスとして示されるという流れを市場は想定していました。
しかし、FRBが予想外に臨時会合を実施してアプローチを決定し、声明として発表済みという今の状況。新型コロナウイルスの影響で大荒れとなった3月に、臨時会合を開催し利下げを実施しましたが、8月末の段階での臨時会合は予想外でした。今回の金融政策姿勢の変更はすでに想定されていた事態であったため、通常会合での発表ではインパクトが薄れることを憂慮しての実施だと思われます。実際にかなりのインパクトをもって、ドルの売り材料となりました。
こうした状況を経て、今回のFOMCです。もともと想定されていた立ち位置から変わりましたが、注目ポイントが2点あります。
一つ目は、フォワードガイダンスのさらなる変更が見られるかどうかです。
市場では今後ゼロ金利政策を解除するにあたって、利上げとインフレ率をリンクさせるなど、より明確なガイドラインがどこかのタイミングで示されると考えられています。
先月の臨時会合でインフレ率の2%超えというオーバーシュートを許容する姿勢を示したタイミングで、さらにフォワードガイダンスを強化して、現状の緩和政策の長期維持姿勢を強くアピールするという可能性が指摘されています。
ただ、ここで慌ててガイダンスの変更を行う必要があるかは疑問という見方も。追加緩和手段がなくなっていく中で、重要な手段の一つガイダンス変更については、より慎重な運営となり、実施は来年以降ではという見方です。
今後の変更は既定路線となっており、今回見送られても影響は限定的となりそうです。実施した場合は、ドル売り材料となります。
二つ目はFOMCメンバーによる経済成長率、物価、雇用、政策金利水準の見通しを示すプロジェクションマテリアルです。
年8回のFOMCのうち、3月、6月、9月、12月のFOMCで示される同見通し。その年を含め、数年先まで及び長期の予想が示されます。毎年9月のFOMCで予想される年を一年延ばします。今回の例でいうと前回までは2020年、2021年、2022年と長期という見通し。今回からはそこに2023年の見通しが加わります。
注目されているのは、プロジェクションマテリアルの中でも、各メンバーの年末時点での政策金利見通しを示すドットプロット。今回から示される2023年末時点での政策金利水準を示したものがどうなるか。2022年末まではゼロ金利継続がほとんどとなっていますが、2023年末時点でも同様な状況を示すのかどうか。ゼロ金利見通しが依然として過半を占めるようだと、ドル売りの大きな材料となります。
MINKABU PRESS 山岡和雅
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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