シンガポールの4~6月GDPは大幅減も、通年の輸出見通しはプラスに上方修正
シンガポールの第2四半期(4~6月)国内総生産(GDP)の改定値が11日に発表され、前期比年率42.9%減と過去最大の落ち込みになった。速報値は41.2%減で速報値から下方修正され、回復への長い道のりが示唆された格好。前年同期比では13.2%の減少となり、速報値12.6%減から下方修正となった。
チャン・チュンシン(陳振声)貿易産業相は「回復はまだ先となる見通しで、回復が順調に進む可能性は低い」と指摘したうえで、「新型コロナウイルス感染再拡大とそれに伴う混乱が予測できる」と述べた。シンガポール経済は2四半期連続でマイナス成長となっており、テクニカル・リセッション(景気後退)に入っている。なお、貿易産業省では2020年通年のGDP見通しを「4~7%減少する」から「5~7%減少する」と変更した。
一方、シンガポール企業庁では2020年通年の輸出額(NODX、石油と再輸出は除く)の見通しを、前年比プラス3~プラス5%に上方修正した。これまではマイナス4~マイナス1%としていたが、足元の輸出が予想以上に好調であることに加えて、原油価格上昇などが押し上げ材料になるとみて、プラス方向へと見直したとしている。
企業庁が11日に発表した4~6月期のNODXは、前年同期比7%増の432億シンガポールドル(約3兆3400億円)。15%減と低水準だった前年同期の反動増があったほか、電子製品の輸出増がけん引。5%増だった1~3月期から伸びが拡大した。輸出先別でみると、1位の中国は15%減少したが、2位の米国は56%増加。注目は8位の日本であり、1~3月期の29%増から76%増へと大幅に伸びた。
シンガポールドル円は、ペッグ制でドル円に相関する値動きとなりがちだが、足もとでは7月31日の直近安値76.03円近辺からリバウンドをみせている。11日は77.68円前後まで一時上昇しており、とりわけこの日はアジア時間から米国時間まで終始上昇しており、輸出見通しの上方修正が好感された可能性もある。6月5日につけた高値78.84円をトライする動きもありそうだ。
SGDJPY 77.58
MINKABU PRESS
チャン・チュンシン(陳振声)貿易産業相は「回復はまだ先となる見通しで、回復が順調に進む可能性は低い」と指摘したうえで、「新型コロナウイルス感染再拡大とそれに伴う混乱が予測できる」と述べた。シンガポール経済は2四半期連続でマイナス成長となっており、テクニカル・リセッション(景気後退)に入っている。なお、貿易産業省では2020年通年のGDP見通しを「4~7%減少する」から「5~7%減少する」と変更した。
一方、シンガポール企業庁では2020年通年の輸出額(NODX、石油と再輸出は除く)の見通しを、前年比プラス3~プラス5%に上方修正した。これまではマイナス4~マイナス1%としていたが、足元の輸出が予想以上に好調であることに加えて、原油価格上昇などが押し上げ材料になるとみて、プラス方向へと見直したとしている。
企業庁が11日に発表した4~6月期のNODXは、前年同期比7%増の432億シンガポールドル(約3兆3400億円)。15%減と低水準だった前年同期の反動増があったほか、電子製品の輸出増がけん引。5%増だった1~3月期から伸びが拡大した。輸出先別でみると、1位の中国は15%減少したが、2位の米国は56%増加。注目は8位の日本であり、1~3月期の29%増から76%増へと大幅に伸びた。
シンガポールドル円は、ペッグ制でドル円に相関する値動きとなりがちだが、足もとでは7月31日の直近安値76.03円近辺からリバウンドをみせている。11日は77.68円前後まで一時上昇しており、とりわけこの日はアジア時間から米国時間まで終始上昇しており、輸出見通しの上方修正が好感された可能性もある。6月5日につけた高値78.84円をトライする動きもありそうだ。
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