インド、ベンガルールで14日から1週間のロックダウン再導入

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/07/16 10:08
 インドでは、新型コロナウイルス感染拡大が続いている中でも、6月より経済再開にカジを切っている。インド政府は6月1日以降の指針として、大半の経済活動を段階的に容認する方針を示しており、それに沿ってホテルやショッピングモールが営業を再開している。インドの新規感染者数の拡大は続いているが、経済の落ち込みが激しいため、再開が必要と判断したもの。

 そのような中で、インドのハイテク産業中心地でカルナタカ州の州都であるベンガルールで14日から、1週間のロックダウン(都市封鎖)措置が再導入されている。当局によると、礼拝所や公共交通機関、政府機関ビル、大半の商店は再び閉鎖され、不要不急の外出は禁止となっている。学校や大学、レストランの閉鎖も継続。

 日系企業では、トヨタ・キルロスカ・モーターが14日、ビダディ工場の操業を一時休止すると発表。新型コロナウイルス対策を進めるカルナタカ州の指示に従ったとしている。停止するのは14日(第2シフト)から22日(第1シフト)まで。州内の感染抑制を目指すカルナタカ州の方針に沿った措置だという。これらの措置により、インド政府が目指す経済活動再開に向けた取り組みにブレーキがかかる恐れがある。

 ベンガルールの新型コロナ感染者は6月中旬時点で1000人程度にとどまっていたが、13日には約2万人に急増。保健当局者は、6月に経済再開に踏み切ったモディ政権の方針が感染再拡大を引き起こしていると批判している。インド全体での新型コロナ感染者は累計90万人超と、世界で3番目に多い。

 インドルピー円は今春以降、おおむね1.40円~1.45円のレンジ内で推移している。新型コロナウイルスの感染拡大というンネガティブなニュースと経済再開の拡大への期待で見方が交錯しており、とりわけ足もとでは1.42円台で値動きがこう着している。経済再開にブレーキがかかることで、インドルピー円はレンジの下限方向へと弱含む可能性があり、注目される。

INRJPY 1.4226

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