テリロジー Research Memo(6):2020年3月期は3期連続増収増益。財務体質は大幅に改善(2)

配信元:フィスコ
投稿:2020/07/03 15:06
テリロジー<3356>の業績動向

2. 復配によるキャッシュアウトを勘案しても財務体質は大幅に改善
2020年3月期の実績で特筆すべきは、財務体質が一段と健全化していることである。代表的な財務安全性指標のうち、自己資本比率は53.9%(前期末比8.9ポイント)と2018期3月期末の24.4%から大幅に上昇、流動比率も209.4%(前期末179.2%)と十分な支払余力を示す200%超えを達成している。3期連続での業績回復に自己株式を活用したエクイティファイナンス効果が加わった結果である。

より細かく見ると、2020年3月期は固定資産の圧縮と流動資産の積み増しが進み、現金及び預金が1,895百万円と総資産の45.1%を占めている。また、自己資本は2,265百万円まで積み上がり、資本剰余金からの振替もあって利益剰余金は267百万円と前期末のマイナス水準(565百万円)からプラス転換を果たしている。

なお、1株当たり5円配当を賄うために必要な資金は82百万円強であるが、通常の配当原資となる単体ベースの利益剰余金についても2020年3月期末は156百万円(前期末は617百万円のマイナス)となり、ほぼ2年分の配当原資をすでに確保していることになる。

また、財務体質の健全化は営業外損益の改善にもつながっている。輸入商材を主力プロダクトとして取り扱う同社の場合、為替差損益が営業外収益に与える影響を完全に排除することはできないものの、2020年3月期には受取利息が前期比3.2倍、支払利息が同63.1%減となるなど有利子負債圧縮効果が顕在化、営業外損益の好転に一役買っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)


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