■ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433>の中長期の成長戦略
同社グループは、戦略的なM&Aを通して事業ポートフォリオの拡大・強化を図ってきた。連結売上高は、2019年8月期までの5年間で年平均成長率(CAGR)が23.5%の高成長を遂げた。今期の売上高は前期比12.8%増の720億円を想定しており、年商1,000億円が射程距離に入ってきた。一方、営業利益の過去5年間のCAGRは9.4%にとどまる。持株会社制に移行したことで、グループ各社の専門性を高めると同時に、グループガバナンスの強化、意思決定の迅速化、グループ内各事業会社間の事業シナジーの最大化などを進める。進展著しいデジタルトランスフォーメーションなどの要素を加えながら、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大を図る。
1. ECサイト支援事業の拡大
同社グループがターゲットとする物販系BtoCのEC市場規模は、2018年に9兆2,992億円(経済産業省調べ)に上った。同年のEC化率は6.22%と5年間で2.37ポイント上昇した。同市場の5年間の年平均成長率は9.2%であった。
2018年の物販系分野BtoCにおける分類別EC市場規模は、同社グループが関与している衣類・服装雑貨等市場が1兆7,728億円と最大であった。同社グループが進出を進めている食品、飲料、酒類のカテゴリーが第2位の1兆6,919億円となる。衣類・服装雑貨等市場のEC化率は12.96%と、5年間で5.49ポイント上昇した。5年間の年平均成長率(CAGR)は8.8%だった。2番手の食品、飲料、酒類市場のEC化率は2.64%と低い。ただし5年前の規模が小さかったため、CAGRは11.3%と高い。同社は、主力のファッション・スポーツ系ブランドサイトに加えて食品BtoBビジネスに参入し、越境ECサイトの受託を推進する。
2. インサイドセールスと訪問営業を組み合わせた営業支援
SALES ROBOTICSとヒト・コミュニケーションズの共同提案により、今後拡大が見込まれるインサイドセールスを中心としたデジタルマーケティングを推進する。SALES ROBOTICSのインサイドセールスとヒト・コミュニケーションズの全国48ヶ所の拠点網を活用し、マーケティングから訪問・成約までワンストップで完結する独自のサービスとなる。
2020年2月に、SALES ROBOTICSがヒト・コミュニケーションズの「チャット・コールセンター」を事業継承した。AI(人工知能)搭載型クラウドCTIと「SALES BASE」を導入して、顧客満足と運用効率の圧倒的向上を目指す。既存のアウトバウンドサービスに加えて、インバウンドコールやECと連携したチャットを用いた接客及び多言語に対応する。CTIはComputer Telephony Integration Systemの略で、電話やFAXをPCと連携させたシステムの総称。SALES ROBOTICSが本事業に導入するCTIは、音声データをもとに通話の傾向を分析・スコアリングする。音声データの分析にはAIテクノロジーが搭載されており、日々の応対結果を教師データとして取り込み、蓄積された通話データを分析し、その結果を可視化することでオペレーターの顧客対応の質をより一層向上させる。
2020年3月、SALES ROBOTICSは、社数・期間限定でリードの獲得サービスを販売することを発表した。新型コロナウイルス対策として展示会やセミナーが相次いで中止となり、企業の営業活動のきっかけとなるターゲット選定とリード獲得量が減少し、新規の営業活動に支障が出ている。同社は、リード獲得が困難な企業の営業活動を緊急的に支援するため、日本経済応援キャンペーンとして、「SALES BASE」の機能とサービスの一部を、社数・期間限定であるものの完全成果報酬型で提供することとした。
インサイドセールスの売上高は、2020年8月期が1,400百万円、2021年8月期が1,776百万円の計画。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<EY>
同社グループは、戦略的なM&Aを通して事業ポートフォリオの拡大・強化を図ってきた。連結売上高は、2019年8月期までの5年間で年平均成長率(CAGR)が23.5%の高成長を遂げた。今期の売上高は前期比12.8%増の720億円を想定しており、年商1,000億円が射程距離に入ってきた。一方、営業利益の過去5年間のCAGRは9.4%にとどまる。持株会社制に移行したことで、グループ各社の専門性を高めると同時に、グループガバナンスの強化、意思決定の迅速化、グループ内各事業会社間の事業シナジーの最大化などを進める。進展著しいデジタルトランスフォーメーションなどの要素を加えながら、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大を図る。
1. ECサイト支援事業の拡大
同社グループがターゲットとする物販系BtoCのEC市場規模は、2018年に9兆2,992億円(経済産業省調べ)に上った。同年のEC化率は6.22%と5年間で2.37ポイント上昇した。同市場の5年間の年平均成長率は9.2%であった。
2018年の物販系分野BtoCにおける分類別EC市場規模は、同社グループが関与している衣類・服装雑貨等市場が1兆7,728億円と最大であった。同社グループが進出を進めている食品、飲料、酒類のカテゴリーが第2位の1兆6,919億円となる。衣類・服装雑貨等市場のEC化率は12.96%と、5年間で5.49ポイント上昇した。5年間の年平均成長率(CAGR)は8.8%だった。2番手の食品、飲料、酒類市場のEC化率は2.64%と低い。ただし5年前の規模が小さかったため、CAGRは11.3%と高い。同社は、主力のファッション・スポーツ系ブランドサイトに加えて食品BtoBビジネスに参入し、越境ECサイトの受託を推進する。
2. インサイドセールスと訪問営業を組み合わせた営業支援
SALES ROBOTICSとヒト・コミュニケーションズの共同提案により、今後拡大が見込まれるインサイドセールスを中心としたデジタルマーケティングを推進する。SALES ROBOTICSのインサイドセールスとヒト・コミュニケーションズの全国48ヶ所の拠点網を活用し、マーケティングから訪問・成約までワンストップで完結する独自のサービスとなる。
2020年2月に、SALES ROBOTICSがヒト・コミュニケーションズの「チャット・コールセンター」を事業継承した。AI(人工知能)搭載型クラウドCTIと「SALES BASE」を導入して、顧客満足と運用効率の圧倒的向上を目指す。既存のアウトバウンドサービスに加えて、インバウンドコールやECと連携したチャットを用いた接客及び多言語に対応する。CTIはComputer Telephony Integration Systemの略で、電話やFAXをPCと連携させたシステムの総称。SALES ROBOTICSが本事業に導入するCTIは、音声データをもとに通話の傾向を分析・スコアリングする。音声データの分析にはAIテクノロジーが搭載されており、日々の応対結果を教師データとして取り込み、蓄積された通話データを分析し、その結果を可視化することでオペレーターの顧客対応の質をより一層向上させる。
2020年3月、SALES ROBOTICSは、社数・期間限定でリードの獲得サービスを販売することを発表した。新型コロナウイルス対策として展示会やセミナーが相次いで中止となり、企業の営業活動のきっかけとなるターゲット選定とリード獲得量が減少し、新規の営業活動に支障が出ている。同社は、リード獲得が困難な企業の営業活動を緊急的に支援するため、日本経済応援キャンペーンとして、「SALES BASE」の機能とサービスの一部を、社数・期間限定であるものの完全成果報酬型で提供することとした。
インサイドセールスの売上高は、2020年8月期が1,400百万円、2021年8月期が1,776百万円の計画。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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