【マーケット雑感】ユニクロ12連騰の謎◆あすなろ投資顧問CEO 大石やすし◆

ユニクロ12連騰の謎

本日の日経平均は、外部環境を無視してしっかりした動きが続いています。

日経平均の上昇寄与度の高いユニクロは本日で12連騰です。

足元ではユニクロのマスク参入の材料が出ましたが連騰する程の内容ではありません。

昨日もお伝えしましたが、米国での人種差別への抗議デモが暴動に発展していることを受け、「地元の州や市当局に強力な対応を要請した。その上で地元当局の行動が不十分なら軍を動員する」と正式にトランプ大統領が表明しました。

5/31にはトランプ大統領がホワイトハウス周辺のデモ拡大を受け、テロ攻撃を想定して設けられた地下壕に一時退避していたと伝わっています。

これらの報道を受けグローベックスNYダウ先物は日本時間の9：00以降はマイナス圏で推移しておりますが、日経平均先物はしっかりした動きで相当な違和感があります。

これは需給面で日本特有の理由で
【売りの裁定残が高水準で買戻しが続いている】

売り裁定とは割高な現物株を空売りして、割安な先物を買うポジションです。

足元では先物価格と現物の価格差が開かず、理論価格より先物が割安な状態が恒常化しています。

現物株が上昇して来ると空売りしている現物株を買い戻す動きが出ます。

5/22時点で金額ベースでは2兆5707億円の売り残があり、日経平均はその後1800円の上昇で、空売りしている現物株を買い戻す動きが続いていると思われます。

6/12のSQまでにこの売り裁定のポジションは解消されるか、9月ものにロールオーバーするかが見極めポイントです。