28日の米国市場ダイジェスト:NYダウ147ドル安、米中対立悪化懸念が再燃

配信元:フィスコ
投稿:2020/05/29 07:53
■NY株式:NYダウ147ドル安、米中対立悪化懸念が再燃

米国株式相場は反落。ダウ平均は147.63ドル安の25400.64ドル、ナスダックは43.37ポイント安の9368.99ポイントで取引を終了した。週次失業保険申請件数の減少傾向を好感し、上昇して寄り付いた。ウイルス被害が大きかったNY市も6月初旬に第1段階の活動再開の可能性に市長が言及したことも好材料となり上げ幅を拡大した。しかし、引けにかけて、トランプ大統領が中国に関する会見を29日に開くと発表すると、米中関係の悪化懸念から下落に転じた。セクター別では、公益事業、家庭・パーソナル用品が大きく上昇。一方、自動車・自動車部品が下落した。

ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)は、良好な四半期決算が好感され急伸した。一方、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は、トランプ大統領の投稿に対して真偽確認を促す警告マーク表示したことから、大統領がソーシャルメディア企業の政治的偏向を改めて批判し法的措置をとる警告をしたため下落した。航空大手アメリカン(AAL)、ユナイテッド(UAL)、デルタ(DAL)は、雇用削減計画を発表し軒並み下落。コンピュータやプリンター機器のHP(HPQ)は、第2四半期決算が予想を下振れたほか、JPモルガンの投資判断引き下げが嫌気され下落した。

トランプ大統領は、ソーシャルメディア企業を対象とした大統領令に署名した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:EU財政支援への期待でユーロ続伸

28日のニューヨーク外為市場でドル・円は107円82銭まで上昇後、107円57銭まで下落して107円62銭で引けた。経済活動の再開を好感したリスク選好の円売りが一時優勢となったが、米国の先週分新規失業保険申請件数は依然200万件を超えており、過去10週で4000万件に達した。また、米1-3月期GDP改定値が予想外に下方修正されたことも嫌気され、ドルは伸び悩んだ。

ユーロ・ドルは1.1006ドルから1.1093ドルまで上昇して1.1077ドルで引けた。欧州連合(EU)の財政支援策を好感したユーロ買いが継続した。ユーロ・円は118円59銭から119円40銭まで上昇。
ポンド・ドルは1.2254ドルから1.2345ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9705フランから0.9631フランまで下落した。


■NY原油:反発で33.71ドル、クッシングの原油在庫は減少

NY原油先物7月限は反発(NYMEX原油7月限終値:33.71 ↑0.90)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.90ドルの1バレル=33.71ドルで取引を終えた。取引レンジは31.14ドル−34.21ドル。米エネルギー情報局(EIA)発表の週間在庫統計で原油在庫は予想以上に増加したが、オクラホマ州クッシングの在庫は減少を続けており、原油先物は底堅い動きを見せた。米中関係の悪化は懸念材料だが、世界的な経済再開の動きを好感した買いが増えているようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  24.86ドル   -1.12ドル(-4.31%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.40ドル   -2.46ドル(-5.25%)
ゴールドマン・サックス(GS)201.22ドル  -8.44ドル(-4.03%)
インテル(INTC)        61.70ドル   -1.86ドル(-2.93%)
アップル(AAPL)        318.25ドル  +0.14ドル(+0.04%)
アルファベット(GOOG)    1416.73ドル -1.11ドル(-0.08%)
フェイスブック(FB)     225.46ドル  -3.68ドル(-1.61%)
キャタピラー(CAT)      120.74ドル  -1.68ドル(-1.37%)
アルコア(AA)         9.48ドル   -0.28ドル(-2.87%)
ウォルマート(WMT)      123.69ドル  +1.21ドル(+0.99%)



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