今週からゴールデンウィーク入りで、来週いっぱいは神経質な展開が想定されます

著者:出島 昇
投稿:2020/04/27 19:14

先週は、NYダウの大幅下落に引きずられ、一時19000円割れ

 先週の予測では、上値のメドは、1月17日の高値(24115円)から下値は3月19日の安値(16358円)までの下げ幅の半値戻しである20233円の可能性があるものの、先々週末の△607円の19897円という大幅高は、踏み上げによる上昇であり、騰落レシオが114%と過熱感を示す120%に接近しており、2万円を前に一進一退の動きになると想定しました。

 結果的には、米国株式の大幅続落もあり、週半ばまで3日続落となって22日(水)には、18858円まで下落し、▲142円の19137円で引けました。23日(木)は△291円の19429円と反発するものの、週末は▲167円の19262円と反落して引けました。週を通して1勝4敗の相場となりました。

 20日(月)は、先週末のNYダウが△704ドルの24242ドルと3月10日以来の24000ドル台となったものの、すでに先週末にNYダウが高くなることを先取りして△607円の19897円と大幅上昇していたことで、その反動で▲207円の19689円で寄り付き、19611円まで下げて終値は▲228円の19669円と大幅反落となりました。売買代金は1兆9656億円と1週間ぶりに2兆円を割り込みました。

 21日(火)は、前日の米国市場でNYダウが原油相場の急落で▲592ドルの23650ドルと下げたことで、一時▲475円の19193円まで下落し、終値は▲388円の19280円の大幅続落となりました。

 22日(水)も前日の米国市場は原油価格の急落が続いたことで、NYダウは▲631ドルの23018ドルとなり、これを受けて日経平均は▲171円の19109円で寄り付いたあと、一時▲422円の18858円と19000円を割り込み、後場になると下げ幅を縮小して▲142円の19137円と3日続落で引けました。

 23日(木)は、前日の米国で原油相場が落ち着いたことでNYダウは△456ドルの23475ドルと反発し、それにつれて日経平均も△291円の19429円と4日ぶりの反発となりました。

 しかし、市場の商いは薄く売買代金は再び2兆円割れとなりました。

 24日(金)は、週末を控えたポジション売りで、▲97円の19331円で寄り付いたあと、半導体関連や景気敏感株中心に売りが広がり、19175円で反落しました。感染拡大による世界的な景気後退から企業業績の悪化懸念を改めて意識する動きとなりました。

 週末24日(金)の米国市場では、NYダウが△260ドルの23775ドル、ナスダックは△139P、S&Pは△38Pと3指標そろって反発しました。その背景は、週前半に3日急落が続いた原油相場が後半3日続伸となったことや、トランプ大統領が4840億ドルの中小企業者や医療機関支援のための法案に署名したことが相場の支援材料となりました。シカゴの日経先物は△240円の19430円でした。

今週からゴールデンウィーク入りで、来週いっぱいは神経質な展開が想定されます

 今週からゴールデンウィーク明けの来週いっぱい(5月8日)の日経平均は、19000円水準での神経質な展開が想定されます。先週前半に暴落したNY原油先物は、落ち着いており、米国の新型コロナウイルスの新規感染者数は頭打ちになってきており、州によっては経済活動再開の準備が整い期待が高まっています。これらは相場の下支え材料として作用しますが、27日の日銀金融政策決定会合、28日のFOMCでの金融緩和策が期待されています。国内では、感染拡大のペースが加速するのか、あるいは鈍化の兆しがでるのかによって5月6日を期限とする緊急事態宣言の延長問題がゴールデンウィーク中に決定される見通しです。延長期間が延びるようだと日経平均は失望売りでいったん下落することも考えられます。いずれにしろGW中は市場エネルギーが減少するために大型株は動きにくく、決算発表も本格化してくるため様子見が高まりますので、マザーズやジャスダック、好業績の中小型株の物色となることが考えられます。相場のレンジは19000~20000円が想定されます。

 本日27日(月)は、先週末の米追加経済対策の成立を好感して、米国株式が上昇した流れから広範囲に買いが先行し、午後の金融政策決定会合では、追加の金融緩和を決定したことで、後場終盤には△557円の19819円まで上昇し、終値は△521円の19783円で引けました。時間外で米株先物が一段高となったことも支えとなりました。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、米国株の上昇や中国経済が正常化に向かう動きもあり、当面のチャートの上限である2万円に接近してきたが、前週末の急上昇は踏み上げの可能性が高く、2万円を上値に一進一退の動きを想定しました。

 しかし、NY原油相場が週前半暴落となったことで、NYダウも急落し、つれて日経平均も連動して、4月22日(水)には、一時18858円と19000円を割り込む動きとなりました。その後、原油相場が落ち着いて、NYダウも反発に転じましたが、日経平均は戻り弱く▲167円の19262円で引けました。

 今週からゴールデンウィーク入りで、来週いっぱいまで神経質な展開が予想されます。国内では感染拡大のペースが加速するのか鈍化の兆しがでるのか注目となり、海外では米国が経済活動再開への期待から景気悪化の懸念が後退して、米株式がしっかりすれば日本株も下支えられることになります。米国株式の動きをみながら19000~20000円の中での動きとなります。
 
<a href='/stock/100000018'>日経平均</a>04-27
 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、目先はトランプ大統領の発表した被害の少ない地域から徐々に経済活動を再開するとの期待から相場のサポート要因になる可能性があるものの、経済封鎖による経済への影響が想定以上の悪化であれば注意が必要としました。

 結果的に、世界経済の悪化から原油の需要が急減し、これを受けて週前半、原油価格が暴落し、原油先物5月限は一時、史上初のマイナス価格となりました。これを受けてNYダウは20日(月)は▲592ドル、21日(火)は▲631ドルの23018ドル(一時22941ドル)まで下落しました。その後、原油相場が3日続伸となったことで、24日(金)のNYダウは△260ドルの23775ドルで引けました。

 今週、発表される経済指標は悪化し、大きな下方修正が想定されるものの、目先は治療薬やワクチンの開発が進んでいることや、FRBや日銀、欧州の中央銀行が追加緩和を計画しており、又、16州がすでに正式な経済活動再開計画を政府に提出したことが相場の下支えとなります。22800~24000ドルの中でのもみあいとなりそうです。
 
NYダウ04-27
 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、トランプ大統領の経済活動再開指針の期待からドル買いの材料となるものの、中長期的には景気回復は長期化する見通しのため、ドル買いにも限界があり、ドル・円は下げ渋る動きが想定されるとしました。

 先週は、週前半にNY原油先物が暴落してリスク回避のドル売りが観測されたものの、原油価格が反発するとリスク回避のドル売りは縮小し、4月23日には108.04円まで買われましたが、その後、107円台前半までドルが売られましたが、24日(金)は6州で経済活動の一部が再開されたことで107円台半ばまでドルが買われました。

 今週から来週にかけて、ドル・円は底堅い値動きが想定されます。米国内では感染被害は広がっているものの、頭打ちの傾向がみられ雇用情勢も悪化しているが、部分封鎖措置が段階的に解除される見通しとなっていることから、リスク回避的なドル売りは縮小するとみられています。又、日本銀行の4月27日の金融政策決定会合での追加緩和期待も高まっており円安材料ですのでドル買いとなります。
 
為替04-27
 

配信元: みんかぶ株式コラム