【これからの見通し】新型コロナ感染拡大止まらず、不安な相場が続く

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/03/30 15:53
【これからの見通し】新型コロナ感染拡大止まらず、不安な相場が続く

 週末の新型コロナウイルス感染拡大は世界的に止まらず。米国の感染者数、イタリアの死亡者数がいずれも中国を上回っており、さらに悪化する方向性になっている。日本では東京の感染者数がこれまでの数倍のペースで増加しており、緊急事態宣言ギリギリの状況との認識が示されている。

 週明けのマーケットは円高や株安の動きが広がって取引を開始した。ただ、午後に入ると米株先物や香港ハンセン指数が上昇に転じる動きがみられ、日経平均は下げ幅を縮小して304円安で取引を終了した。

 ドル円は107.12レベルの安値から反発し、107.95レベルと108円台をうかがう水準まで買われた。ただ、足元では108円台からは遠ざかっており、107円台後半で推移している。ただ、ドル円1週間ボラティリティーは一時19%台に再び上昇しており、リスクヘッジ需要が高まっている。

 先週は米FRBをはじめとする各国中銀が利下げにつづいてQE拡大や中小企業支援策など現時点でとることのできるあらゆる施策を講じた。財政措置も有事態勢での対応が示されている。財政赤字拡大抑制に対する圧力は、ひとまず横に置かれる格好となっている。

 しかし、世界的な新型ウイルス感染拡大の動きに鈍化の兆しがみられなければ、不安な相場展開はまだまだ続きそうだ。中国が収束に向かっていると報じられているが、欧州に続いて米国での感染拡大が深刻化している。また、再びアジア地域に感染の波が襲来する動きもあり、中国においても海外からの2次的な感染増の動きがみられている。対岸の火事でいられる国は無いといってよいだろう。

 このあとに発表される経済指標は、KOFスイス先行指数(3月)、ユーロ圏消費者信頼感・確報値(3月)、ドイツ消費者物価指数・速報値(3月)、米中古住宅販売成約指数(2月)など。先週の米新規失業保険申請件数が桁違いの急増をみせたあとで、市場の関心は週末の米雇用統計など雇用関連指標に集まっているようだ。きょうの指標に対する市場の関心度は低そうだ。

MINKABU PRESS 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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