ドル円110円割れ ドル売り・円買いが混在、欧州株軟調=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/03/26 20:21
ドル円110円割れ ドル売り・円買いが混在、欧州株軟調=ロンドン為替概況

 26日のロンドン市場では、ドル円は110円を割り込んでいる。欧州株や米株先物が再び下落しており、リスク警戒ムードが再燃している。ただ、各国中銀の対応でパニック的なドル買い需要は影を潜めている。ドル円にとっては東京での感染拡大が懸念材料。また、政府月例経済報告では基調判断が引き下げられた。「厳しい状況」としており、「回復」の文言が6年9か月ぶりに消えた。ユーロドルは1.09近辺から1.09台半ばへと上昇。一方、ユーロ円は120円台後半から120.16近辺まで下落。ECBは18日に発表したコロナウイルス対応の債券購入プログラムをきょうから発動している。イタリア債やギリシャ債が買われ、ドイツ債との利回り格差が大きく縮小している。このあとに英金融政策発表を控えて、ポンドは目立った動きを示していない。ユーロドルとともにポンドドルは1.19台半ばへと小高く、ポンド円は132円近辺から130円台後半での方向感に欠ける値動きになっている。

 ドル円は109円台後半での取引。東京午後の110円台後半での揉み合いを下放れて、ロンドン市場では109.81レベルまで下落した。その後も110円台は重い値動き。欧州株や米株先物が再び下落しており、リスク警戒ムードが再燃している。東京での感染拡大が懸念材料。また、政府月例経済報告では基調判断が引き下げられた。「厳しい状況」としており、「回復」の文言が6年9か月ぶりに消えた。

 ユーロドルは1.09台半ばでの取引。東京午後の1.09台前半での揉み合いを上放れており、ロンドン市場では高値を1.0954レベルに広げている。一方、ユーロ円は120円台後半から120.16レベルまで下押しされている。ECBは18日に発表したコロナウイルス対応の債券購入プログラムをきょうから発動している。イタリア債やギリシャ債が買われ、ドイツ債との利回り格差が大きく縮小している。バシリオスカス・リトアニア中銀総裁は、OMTはECBの兵器庫に保存しており、使用可能だ、と発言した。一方、スペインでの感染拡大は続いており、死者数増加が前日よりもやや鈍化したが、市場の警戒感は緩んでいない。欧州株はマイナス圏で推移している。

 ポンドドルは1.19台前半での取引。1.18台前半での揉み合いから買われると1.19台乗せから1.1961レベルまで高値を更新した。ポンド円は一時132円近辺まで買われたが、東京高値には届かず反落。その後131円割れも、東京安値には届かず。レンジ取引になっている。対ユーロでも0.91台後半を中心に方向性に欠けている。2月の英小売売上高は伸びを欠いたが、まだコロナウイルスの影響はみられず、市場は反応薄。このあと3月に入って3回目の英MPCの結果が発表される。2回の緊急対応で当面の手は打ったものとみられるが、今後の可能性についてベイリー総裁の示唆があるのかどうかが注目される。

MINKABU PRESS 松木秀明

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