【これからの見通し】米国でもパンデミック警戒、米債利回り最低水準更新でドル売り圧力に

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/02/27 15:53
【これからの見通し】米国でもパンデミック警戒、米債利回り最低水準更新でドル売り圧力に

 世界的に新型ウイルスの感染が拡大するなかで、株式市場での売り圧力が継続している。為替市場では、どの通貨においても売り圧力がみられており、その時々の話題性の強い通貨が特に売られやすくなっている。その中で局面変化は頻繁に起こっており、流れが一定しない状況となっている。

 昨日からきょうにかけては、米国での感染拡大懸念が台頭している。東京早朝にトランプ米大統領の会見では「米国での新型コロナウイルス感染拡大は不可避ではないが、そうなるだろう」と警戒感を強めていた。昨日は、米食品医薬品局高官が「パンデミックに向かいつつある」との見方を示した。市場ではパンデミックをキーワードとして、米国売りの様相を呈している。

 ドル相場が総じて圧迫されており、きょうはドル円が再び109円台に突入する場面があった。ユーロドルは1.09台乗せへと水準を上げてきている。米10年債利回りは1.30%の節目を下回っており、一時1.2921%と史上最低水準を更新した。

 5大陸すべてに新型ウイルスの感染が広がっており、カーニバルで盛り上がったブラジルもその例外ではなかった。連休明けのブラジル市場では、株式・通貨がともに急落している。

 この後の海外市場では、英国や欧州各国のウイルス感染拡大の動きにポンドやユーロが反応しやすくなりそうだ。昨日は独保健相が「ドイツで流行が始まった段階にある」と述べていた。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、南アフリカ生産者物価指数(1月)、ユーロ圏業況判断指数(2月)、ユーロ圏消費者信頼感・確報値(2月)、米実質GDP・改定値(第4四半期)および関連指標、米耐久財受注・速報値(1月)、米新規失業保険申請件数(22日までの週)、米中古住宅販売成約指数(1月)、カナダ経常収支(第4四半期)などが予定されている。米国関連の指標が多い。

 また、金融当局者の講演関連では、パネッタECB理事、ラガルドECB総裁、シュナーベルECB理事、レーンECBチーフ・エコノミスト、デギンドスECB副総裁、カンリフ英中銀副総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ECB当局者の発言機会が多い。米債券市場では、7年債入札(320億ドル)が実施される。米主要企業決算発表は、デル、ビヨンドミートなど。

MINKABU PRESS 松木秀明

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