ドル円は下げ一服も上値重い=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/02/25 06:00
 NY時間の終盤に入ってドル円は下げ渋る動きとなっているものの上値は重い。きょうのNY為替市場はリスク回避の雰囲気が強まる中、円高も去ることながら、ドル安が強まっており、ドル円は高値から100ポイント超下落している。米株式市場でダウ平均が一時1000ドル超急落する中、ドル円は戻り売りを強めた。イタリアや韓国、イランでもウイルス感染の急拡大が伝わるなど、世界各国に拡大している。

 これまでの市場は、ウイルス感染の米経済への影響を過小評価し、米株高とともに為替市場はドル高の反応を見せていた。しかし、パンデミックの様相を強める中、さすがにきょうは米経済への影響も再認識されているようだ。先週のPMIのデータがかなり弱い内容で、米大手証券も第1四半期の米GDP見通しを下方修正している。市場では、これまで様子見姿勢を滲ませていたFRBが積極利下げに転じるのではとの見方も台頭しているようだ。ドル円は110.50円を割り込み、110.35円付近まで一時下落。先週の上げの75%以上を戻す展開を見せており、今後の動きが警戒される。

 ユーロドルは買い戻しが続いた。本日のユーロドルはドイツ北部のハンブルクで23日実施された州議会選挙で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」とメルケル首相の与党、キリスト教民主同盟(CDU)が敗北する見通しとなったこともあり、週明けから下に窓を開けて始まった。一時1.08ドル台前半まで下落していたが、NY時間に入って買い戻しを強め、窓を埋めている。先週末に1.07ドル台からリバウンドの動きが見られ、1.0860ドル近辺で一旦上値を抑えられていたが、きょうはその水準を突破する動きも見せている。

 ポンドドルはNY時間に入って下げ渋り、1.29ドル台前半まで戻している。ただ、ポンドの戻りは鈍い印象もある。来月の11日に発表予定の予算案への期待の一方で、EUとの貿易協定締結への懸念が根強い。ジョンソン首相は強硬姿勢を崩しておらず、年内にはEUを離脱したがっている。ただ、EU側からは年内の協定締結は難しいとの見解も強まる中、合意なき離脱のシナリオはなお残っている。また、ウイルス感染拡大による英経済への警戒感も根強く、市場では年内の0.25%利下げを織り込む動きも出ており、ポンドを圧迫しているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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