NYコラム(18日)ダウ平均は売り優勢の展開へ-アップルが時間外で一時3%超安

著者:加藤裕一
投稿:2020/02/18 22:48

NY株式市場(18日)ダウ平均は続落スタートへ‐売り一アップルは売上高未達に

3連休明けとなる18日のアメリカ株式市場でダウ平均は売り優勢の展開へ

アップルは17日、2020年1~3月期の売上高が会社予想(630億~670億ドル)を達成できない見通しだと発表した。

新型肺炎が拡大したことから主力の「iPhone」関連部品のサプライ(供給)が中国国内で一時的にひっ迫して生産計画に遅れが生じるためで、出荷に影響が出るとしている。

現状としては武漢市以外で生産を再開した工場の立ち上がりが遅れている模様だ。

同時に中国国内での需要の減退も示している。

一方で中国以外のグローバルでエリア別の販売状況はガイダンスを維持した。その上でアップルは、今回の新型肺炎によるビジネスの中断を一時的なものとしている。

アップル株は時間外の取引で一時3%超の下落を見せている。

米国10年債利回りも時間外で1.5%台半ばまで低下しており、18日のアメリカ市場では、投資資金を一旦債券相場へ振り向ける場面もみられそうだ。

18日のダウ平均は寄り付きで2万9200ドルの節目を伺う展開となる。

ダウ構成銘柄では、ウォルマートが取引開始前に第4四半期決算を発表した。

売上高・EPSともに市場予想を下回ったことから売りに押されてダウ平均の重しとなりそうで、世界的な株安の流れに歯止めは掛かりにくい相場環境だ。

ただ、ダウ平均は売り一巡後に下げ渋る動きもみられそうだ。

チャート面では、ダウ平均の2万9000ドル付近には20日移動平均線(2万9016ドル)などのテクニカル・ポイントが控えている。

ダウ平均は寄り付きで2万9200ドル付近を試したあとは、一段と売り込みにくく、相場全体下げ渋る局面も想定しておきたい。

取引開始前に発表された2月のニューヨーク連銀製造業景気指数が市場予想(5.0)を上回る12.9となったことは市場心理を下支えするだろう。

このほか、引き続き、今週は中国政府による景気刺激策に注目したい。

17日には中国人民銀行が中期貸出制度の金利を0.1%引き下げている。

20日に公表される2月分の最優遇貸出金利=ローンプライムレートの引き下げに向けた動きとみており、中国政府の政策スタンスを見極める必要があるようだ。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想